カボメティクス 肝細胞癌で製造販売承認一部変更承認取得  武田薬品

 武田薬品は27日、キナーゼ阻害剤「カボメティクス」について、がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。
 今回の承認は、主に、プラセボ群と比較して同剤の有効性が統計的に有意な結果を示し、かつ安全性プ ロファイルについても確認された二次治療以降の進行肝細胞癌患者を対象とした海外P3相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験( CELESTIAL試験)、ならびに日本人における有効性および安全性を検討した国内P2相非盲検単群試験(Cabozantinib-2003試験)の結果に基づくもの。
 Cabozantinib-2003 試験の治験参加施設の責任医師である古瀬純司杏林大学医学部腫瘍内科学教室教授は、「肝細胞癌の進行期では、効果的な治療選択肢が限られており、アンメットニーズが高い疾患領域の一つである」と指摘。
 その上で、「カボメティクスは、腫瘍の増殖、転移・浸潤や治療抵抗性獲得などに関与する血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)、MET、AXLなどの受容体のチロシンキナーゼ活性を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する新規治療薬である」と説明し、「がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌に対する新たな治療オプションとして期待している」と話す。
 カボメティクスは、Exelixis, Inc.によって創出され開発が進められた薬剤だ。日本においては、2017 年1月に同社と開発提携および独占的販売権に関する契約を締結した。同剤は、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対する治療薬として、本年3月、厚生労働省より製造販売承認を取得し、同年5月に日本で発売された。また、本年5月にがん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌に対する治療薬として製造販売承認事項一部変更承認申請を行い、同年 10 月にはオプジーボとカボメティクスの、根治切除不能又は転移性腎細胞がんを対象とした併用療法に係る製造販売承認事項一部変更承認申請を行っている。

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