オプジーボとヤーボイの併用療法 EMAが悪性胸膜中皮腫での申請を受理  小野薬品

 小野薬品は16日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、欧州医薬品庁(EMA)が、ファーストラインの未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫(MPM)に対するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)の申請を受理したと発表した。この申請受理により申請資料提出が完了し、EMAによる中央審査が開始される。
 悪性胸膜中皮腫は、悪性度の高い希少がんであり、肺を覆う膜から発生する。発症の主な原因はアスベストへの曝露。早期発見が難しく、診断された時には、多くの患者ですでに進行または転移が認められる。一般的に予後は不良であり、未治療の進行または転移性悪性胸膜中皮腫患者の生存期間の中央値は 1 年未満、5年生存率は約10%である。
 今回の申請は、オプジーボとヤーボイの併用療法を化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較評価したピボタルなP3相CheckMate-743試験のデータに裏付けられたもの。
 同試験において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目である全無作為化患者における全生存期間(OS)を良好に達成した。
 同試験で認められたオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、同併用療法でこれまでに認められているものと一貫していた。
 CheckMate-743試験では、患者303例がオプジーボ3mg/kgを2週間間隔で、ヤーボイ1mg/kgを6週間間隔で投与する治療群に無作為化され、投与は病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、最長24 カ月間継続された。患者 302例がシスプラチン75 mg/㎡またはカルボプラチンAUC5とペメトレキセド500mg/㎡の併用療法を、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、21日間を1サイクルとして、最大 6サイクル投与する治療群に無作為化された。
 同試験の主要評価項目は、全無作為化患者におけるOSで、主な副次評価項目は、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)および無増悪生存期間(PFS)。探索的評価項目は、安全性、薬物動態、免疫原性および患者報告アウトカムであった。
 これらのCheckMate-743 試験結果は、8月8日、国際肺癌学会主催の2020 世界肺癌会議のバーチャル・プレジデンシャル・シンポジウムで発表されている。
 BMSの腫瘍臨床開発担当・バイスプレジデントのSabine Maier氏(M.D.)は、「CheckMate -743 試験は、オプジーボとヤーボイの併用療法がこの重大なアンメットニーズを満たす可能性を示している。世界で中皮腫の発生数が多い欧州の患者にこの免疫療法薬による2剤併用療法を届けられるよう早急にEMAと協働していく」とコメントしている。

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