レルゴリクス配合剤 子宮筋腫対象にFDAへ承認申請

 大日本住友製薬は2日、連結子会社のマイオバント・サイエンシズ・リミテッドがレルゴリクス配合剤エについて、子宮筋腫に伴う過多月経を適応症として、FDAに新薬承認申請を行ったと発表した。
 同剤の承認申請には、2 本のP3試験(LIBERTY 1・2試験)および1年間の継続投与試験のデータが含まれている。同剤は、これらの試験において、1年間にわたり骨の健康を維持し、過多月経を持続的に改善させることが示されている。
 レルゴリクス配合剤が承認されれば、子宮筋腫に伴う過多月経に対する米国で初めての1日1回の経口剤となる。
 レルゴリクスは、1日1 回経口投与の低分子 GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体阻害剤で、前立腺がんの発生に関与する精巣のテストステロンおよび子宮筋腫や子宮内膜症の成長を刺激する卵巣のエストラジオールの産生を抑制する。
 マイオバント社は、子宮筋腫および子宮内膜症向けには配合剤(レルゴリクス40mg+エストラジオール1.0mg+酢酸ノルエチンドロン0.5mg)を、前立腺がん向けには単剤の錠剤(120mg)を開発している。各開発段階は次の通り。
・子宮筋腫:2020年3月申請済(欧州)、2020 年 5 月申請済(米国)
・前立腺がん:2020 年 4 月申請済(米国)
・子宮内膜症:P3段階(米国、2 本目のSPIRIT 1 試験が2020 年度第 1 四半期中に判明予定)
 一方、LIBERTYプログラム(LIBERTY 1・2 試験)は、経血量の多い子宮筋腫を対象としたレルゴリクス併用療法(レルゴリクス 40mg+エストラジオール 1.0mg+酢酸ノルエチンドロン 0.5mg)の 24 週間投与、プラセボ対照の2 本の国際共同フェーズ 3 試験である。
 LIBERTY 1・2 試験の終了後には、希望する患者にレルゴリクス併用療法をさらに28週間投与する継続投与試験を実施した。LIBERTY 1・2 試験の結果、両試験の主要評価項目(投与24週後の経血量が80mL 未満かつベースラインから50%以上減少した患者の割合)は、プラセボ投与群は18.9%および14.7%であったのに対し、レルゴリクス投与群は73.4%および 71.2%と有意な改善(p < 0.0001)を示した。
 両試験において、レルゴリクス投与群の投与 24 週後時点の経血量はベースラインから平均 84.3%減少した(p <0.0001)。骨密度の減少は、レルゴリクス投与群は投与 24 週後においてプラセボ投与群と同様であった。
 また、投与24週後の骨密度の変化の分布は、レルゴリクス投与群とプラセボ投与群で同様であった。両試験における有害事象の発現率は、レルゴリクス投与群とプラセボ投与群で同様であった。
 1年間の非盲検の継続投与試験において、レルゴリクス投与群は、投与1年後の奏効率が87.7%であり、主要評価項目を達成し、LIBERTY 1・2 試験で観察された効果が持続していることを示した。
 また、投与52週後の経血量はベースラインから平均 89.9%減少した。3か月ごとに評価された1年間の骨密度の変化量および有害事象の発現率は、LIBERTY 1・2 試験の結果と一貫性を示し、新たに安全性が懸念される事象は認められなかった。

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