抗精神病薬「ラツーダ」の国内製造販売承認取得  大日本住友製薬

 大日本住友製薬は25日、非定型抗精神病薬「ラツーダ錠」(一般名:ルラシドン)について、同日付けで「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を適応症に、国内製造販売承認を取得したと発表した。薬価収載後に同剤を発売する予定。
 同承認は、統合失調症患者を対象とした国際共同P3 試験(PASTEL 試験、JEWEL 試験)および継続長期試験(JEWEL 継続試験)、双極I 型障害うつ患者を対象とした国際共同P3 試験(ELEVATE 試験)等の結果に基づくもので、昨年7 月3 日に国内製造販売承認を申請していた。
 同剤は、承認申請前に申請予定資料の評価を受けた医薬品事前評価相談実施品目であり、通常よりも短い約 8ヶ月の審査期間で承認を取得した。
 ラツーダは、大日本住友製薬が創製した独自の化学構造を有する非定型抗精神病薬で、ドパミン D2、セロトニン5-HT2A、セロトニン 5-HT7 受容体にアンタゴニストとして作用するほか、セロトニン 5-HT1A 受容体にはパーシャルアゴニストとして作用する。また、ヒスタミンH1 およびムスカリンM1 受容体に対してはほとんど親和性を示さない。
 ラツーダは、2010年10 月に米国で成人の統合失調症に係る効能・効果で承認されて以降、本年3月現在、統合失調症に係る効能・効果では欧米を含む 47の国または地域で承認されており、双極Ⅰ型障害うつに係る効能・効果では米国を含む 7つの国または地域で承認されている。同剤は、海外のガイドラインで体重増加リスクが低いとされる抗精神病薬である。
 また、双極性障害におけるうつ症状では第一選択薬のひとつとして推奨されており、治療選択肢が少ない当該治療に貢献している。
 大日本住友製薬では、今回の承認取得により、統合失調症および双極性障害におけるうつ症状の新たな治療選択肢を提供することで、国内における両疾患の治療に貢献できるものと期待している。

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