ブリグチニブ ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺癌で国内製造承認申請      武田薬品

 武田薬品は28日、ブリグチニブ(AP26113)について、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)チロシンキナーゼ阻害剤治療後に進行したALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する治療薬として国内製造販売承認申請を行ったと発表した。
 今回の申請は、主に国内P2相試験のBrigatinib-2001 (J-ALTA) (NCT03410108)および海外P2相試験のAP26113-13-201(ALTA) (NCT02094573)の結果に基づくもの。
 Brigatinib-2001は、日本人のALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌の患者を対象とし、有効性と安全性を評価する単群多施設共同P2 相試験。アレクチニブまたはアレクチニブおよびクリゾチニブ治療後に抵抗性となった患者を対象としたメインコホートを含む、複数のコホートで構成されている。
 一方のALTA試験は、クリゾチニブ治療後に進行した222名の局所進行性または転移性 ALK 融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌の成人患者を対象とした海外P2 相、非盲検多施設共同二群試験。
 ブリグチニブは、化学構造に基づきALKを選択的に阻害するよう設計された次世代チロシンキナーゼ阻害剤で、現在、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌に対して米国、カナダ、欧州を含む40以上の国・地域で承認されている。日本での同剤の一般的名称はブリグチニブとなる。
 WHOによると、非小細胞肺癌は、肺がんの中でも最も一般的ながんであり、世界中で毎年新規に肺がんと診断される患者180万人のうちの約85%を占めている。
 遺伝学的研究により、未分化リンパ腫キナーゼにおける染色体の転座が、一部の非小細胞肺癌患者において重要な因子であること が示されている。転移性非小細胞肺癌患者のうち約 2~7%でALK遺伝子に転座がみられる。
 武田薬品は、全世界で毎年、この重篤でかつ希少な肺がんと診断される約4万人の患者の生活を改善するため、非小細胞肺癌に対する研究開発の継続に尽力している。

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