「Operation」カテゴリーでISPEの2024年Facility of the Yearアワード受賞 武田薬品

 武田薬品は17日、国際製薬技術協会(ISPE) による2024年の年間優秀施設賞(FOYA) を「Operations」カテゴリーで受賞したと発表した。
 今回の受賞は、同社が製造オペレーションにおいて、患者を中心に考えたプロセス改善に継続的に取り組んでいることによるもの。同プロジェクトは、オーストリアのリンツにある製造施設で実施され、Entyvio皮下注(SC)製剤用のプレフィルドシリンジ充填ラインのプロセスパフォーマンス適格性確認(PPQ)時間を50%短縮することに成功した。
 これにより、新しい製造ラインでPPQにかかる時間を短縮するとともに、強靭なサプライチェーンをさらに向上させる基盤を構築することができるようになった。PPQ時間の短縮により、より短期間でより多くの製品の柔軟な市場への供給が可能になる。
 リンツ工場におけるEntyvio SC向けプレフィルドシリンジ充填ラインの導入は、多くの準備作業を並行して行うためより迅速なプロセスが必要であったことから、PPQにかかる時間の大幅な短縮を目的とした「Warp Speed」プログラムの下で実施し、従来は約36カ月を要していた工程を、24カ月に短縮した。
 PPQは、新しい製造施設における製造が、承認された製造技術および基準に従って効果的かつ再現性のある方法で行われていることを検証し、文書化するために実施される。新たな製造施設の商用稼働前には、PPQを実施して成功させることが必須となる。
 同プロジェクトの実行にあたっては、自動化とデジタル化の分野でのPharma 4.0技術が重要な役割を果たした。具体的には、製造実行システムとヒストリアンシステムを単一の自動化統合レイヤーで統合し、電子バッチ記録や外部アプリケーションのためのデータの利用が可能となるようにした。
 また、将来の製造施設内における無菌充填ラインの完全な3D計画モデルも作成し、モデル内のすべての要件を確認し、無菌充填ラインの設置前の課題に対処した。
 リンツにある製造拠点では、Entyvioを含む、さまざまな慢性炎症性腸疾患の治療のための生物学的製剤の製造に注力している。さらなる製造拡大のため、2025年までに約1億ユーロの設備投資が予定されており、今回の受賞プロジェクトはこの投資の一環である。リンツの製造拠点が本稼働した際には、Entyvio SCの全世界向け供給の約70%を担う予定だ。
 また、サステナビリティを重視して、有効成分の保管用に約20台の冷凍庫を設置したことで、グローバルでの供給体制の時間短縮も可能になった。武田薬品では、バリューチェーン全体にわたって、再生エネルギーの供給をはじめとする革新的かつ持続可能な解決策の定期的な評価と導入も行っている。

◆Thomas Wozniewski武田薬品Global Manufacturing and Supply Officer のコメント
 当社がより柔軟に患者さんが待ち望む医薬品を提供していくために、リンツにある製造拠点で実施されているようなプロジェクトは重要な役割を果たす。ここから得られた知見を、当社の製造ネットワーク全体で共有し、将来のプロジェクトに活用していく。
 今回の受賞により、当社は、私たちが目指す未来の実現に向けてさらに前進し、医薬品製造におけるイノベーションの可能性も高めることができた。ISPEによる受賞を誇りに思うとともに、デジタル化とPharma 4.0の導入により、当社の医薬品を必要とする患者さんのために、医薬品製造のさまざまな課題に挑戦し続けたい。

◆Gunter Baumgartner武田薬品Global Engineeringヘッドのコメント
 リンツでのプロジェクトを短期間で無事に完了し、当社の製造拠点で戦略的プロジェクトのタイムラインを短縮させるという重要な目標を達成することができた。
 本プロジェクトは、今後の製品上市を加速することを目的とした『Warp Speed』プログラムの下で始まった。複数の部門にわたる緊密な連携と外部サプライヤーとの強力なパートナーシップを通じて、当社は新しい製造ライン導入の効率、スピード、成功についての新たな基準を設定することができた。この成果は、医薬品製造に大きな影響をもたらすとともに、当社の将来の成長と目標達成を後押しする基盤となる。

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