iPS細胞由来の血小板製造で科学技術大臣賞受賞 メガカリオン・大塚製薬工場など

 メガカリオン、大塚製薬工場、京都製作所、佐竹化学機械、シミックホールディングスの4社は14日、内閣府主催の「第2回日本オープンイノベーション大賞」において「iPS細胞由来の血小板製造によるイノベーション」が認められ、科学技術政策担当大臣賞を受賞したと発表した。受賞テーマは、「血液を工場で作る~iPS細胞を応用した再生医療の産業化を目指して~」
 血小板製剤による輸血は医療の基本インフラとなっている。その一方で、原料を献血に頼り、かつ保存期間が4日程度と短いため慢性的な供給不足が懸念されている。今回の受賞テーマの目的は、「献血を補完・代替するために、iPS細胞を応用した血小板の安定供給技術を異業種のコンソーシアム体制で構築し、オープンイノベーションのもとに次世代の輸血インフラの形成を目指す」というもの。
 献血不足が予測される先進国や既に不足状態にある途上国に、ヒトiPS細胞由来の病原汚染などの危険性を排した安全性の高い血小板製剤を計画的、安定的に提供する医療イノベーションを創出する。
 具体的には、京都大学・東京大学で発明した技術に基づき、ドナーの末梢血や臍帯血より樹立したヒトiPS細胞を起点とし、分化・増殖させ、巨核球マスター・セル(MC)を経て、血小板を大量生産させることを事業として実施。
 同法により、MCを凍結保存し無限に増殖させることができるため、輸血に係るドナー負担や廃棄ロス、検査コストなどを抑えられる。
 メガカリオン創業者の三輪玄二郎取締役会長は、「当社および共同受賞されたパートナー各社が中心となって推進するヒトiPS細胞を利用した輸血用血小板製剤事業を表彰頂き誠に光栄に思う」と明言。
 さらに、「iPS細胞という未だ世に出て間もない新しい素材を活用するためには、今まで蓄積された多様な知見や経験を有効活用するオープン・イノベーションが必須である」と強調し、「そのモデルケースの一つとなるべく、共同受賞された各社とともにiPS血小板の一日も早い臨床現場への提供を目指したい」と抱負を述べた。
 なお、表彰式は、2月27日17時から中央合同庁舎8号館(内閣府)講堂で行われる。

タイトルとURLをコピーしました