空手演武

 母校の同窓会では卒業生を講師に迎えて小規模な講演会を開催しています。昨年からの企画でまだスタートしたばかりのものです。「避難民緊急医療支援と救急医の経験」という医療の内容の講演会が開催されたこともありますが、講演の内容は多分野に渡り、年齢層も幅広く、普段参加する医療に関する講演会とは違った様子で、新鮮で世界が広がっていくように思います。

 先日の講演会は「空手演武」でした。スケジュールの打ち合わせから参加をさせていただき、お話と演武と映像を組み合わせて細かにタイムスケジュールを作りました。彼のモットーは「文武両道」で、現在は大学院修士課程在学中で2018年世界大学空手道選手権大会他、多くの大会で優勝をされています。

 幼少の頃お兄さんについていって始めた空手の稽古の動画もあり、多くのエピソードを紹介していただきました。そしていよいよ演武が始まりますと、空気ががらっと変わり、緊張感に包まれた神聖な武道の試合場に私たち観客も集団ワープいたしました。彼はお話の時とは違い、顔も声も体も勇敢な戦士のようで、形のたびに迫力ある道着の音に圧倒され、見ているだけなのにまるで金縛りにあったように、身動きひとつできませんでした。

 演武の後、見どころや判定基準について説明をいただきました。力強さ、スピード感、安定感に加え、ギャップというのでしょうか、緩やかな曲線を描く体の動きの後のバシッと決まる形の組み合わせも判定の基準になるそうです。複数の審判の判定は依怙贔屓の無いように集約されます。またオリンピックに出るのには選考に人数等の多くの決まりがあり、今回彼は出場できませんが、「男子形」の出場選手は優勝候補であるので、ぜひ観てほしいとのことでした。テレビ映像では生の迫力は伝わりにくいかもしれませんが、それでも是非観て応援しようと思います。

 人生100年時代、脳の認知機能の低下を防ぐために効果的な方法は、新しいことを学ぶことだそうです。人の脳は学び続けることでシナプスの可塑性を紡ぐことができるそうです。脳の長くて丈夫な状態に繋がるようです。世の中は知らないことだらけです。ものの名前などをすぐ思い出せない日常に鞭打って、新しい年も若返って過ごしたいと思いす。

                                薬剤師 宮奥善恵

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