新型コロナ等の接触感染防止で銅の殺菌効果グッズ開発    第一精工舎

 第一精工舎(大阪府)は、銅の殺菌効果で雑菌やウイするの接触感染を防ぐ殺菌グッズシリーズ「Plapper」を開発し、本年8月より順次商品展開していく。同品は、独自技術であるフリーブレンド工法で、樹脂パウダーに銅粉をブレンド加工し、銅の殺菌性能を最大限に発揮する。
 銅イオンの微量金属作用には、細菌類を死滅させる性質があり、日本銅センターで様々な実証試験が行われ、その効果は既に科学的に実証されている。新型コロナウイルスに対する銅の優れた殺菌効果についても、既に米国立衛生研究所(NIH)が立証済み。本年7月、国内(北里大学)でその試験調査結果を公開する予定である。


 Plapperは、日本銅センターが定めるCu STARマークを取得している。同マークは、日本銅センターが定めた規格(殺菌性能・材料)に基づき、試験をクリアした製品に認定されるもの。Plapperシリーズでは、箸・箸置き、しゃもじ、トング、まな板、排水トラップ、三角コーナー、マスクケース、指サックなどの商品を開発していく。
 加えて、同技術は、雑菌やウイルスが多く潜伏するドアノブや手すりなどに被せるだけで簡単に接触感染対策ができるため、大掛かりな工事も不要だ。同社では、「幅広いエリア・箇所に適用してもらうことで、ウイルス感染症の予防に寄与したい」考えを示している。
 第一精工舎は、2001年創業。代表の石田恭彦氏は、大手樹脂原料メーカーの研究者出身。業界では、プラスチック製品を作る際、樹脂パウダーをパレットと呼ぶ樹脂状に加工するのが常識であったが、この工程を省き、樹脂パウダーを直接形成する技術を考案した。同技術により、各素材の特性を活かす配合も可能となり、かつ工程短縮により高性能な製品を早く、安く作り出すことに成功した。
 この技術をベースに、2016年、「プラスチックに殺菌性能を加えてほしい」との要望に応え、銅粉を配合したPlapperの初期モデルを開発した。ただ、銅を混ぜるだけでは殺菌性能は得られなかったが、如何に銅を製品表面に配置させるかについて度重なるテストの末、ある比率の配合に辿りついた時、銅と同等の殺菌性能の確認に至った。
 同製品の特徴には、①銅の殺菌性能とプラスチックの自由なデザイン性を兼ね備え、かつ安価に製造可能、②素材や配合を変えれば、使用環境に適した強度・耐久性にも調整可能ーなどがある。

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