ファインファイバー技術応用はスキンケア領域から事業化         花王

 花王は1日、積層型極薄膜形成技術「ファインファイバーテクノロジー」を具現化する、高性能小型ディフューザーを開発し、その応用第一弾として、スキンケア領域から事業化することを明らかにした。
  「ファインファイバーテクノロジー」は、機器を用いて極細繊維を直接肌に吐出し、肌上に積層型の極薄膜をつくる技術。直径1μm以下の細い繊維が幾層にも折り重なってできるこの膜は、軽く、やわらかく、肌の動きに柔軟に追従し、肌表面をなめらかに整える性質がある。
 また、“ふち”に向かって薄くなる形状により膜と肌の段差が極めて少ないことから、はがれにくく、肌に自然になじみ、肌との境目も見えない。
 さらに、極細繊維が持つ高い毛管力により、併用する製剤を速やかに膜全体に均一に広げ、しっかりと保持するという性能があります。
 その一方で、繊維の隙間から適宜水蒸気を通すため、肌を完全に閉塞することなく、適度な透湿性も保てる。
 花王は、この極薄膜が自宅で簡単につくれる機器の開発を進め、美容家電に多くの知見を持つパナソニック アプライアンス社の協力のもと、今回の高性能小型ディフューザーの完成に至った。
 ユニークな特長を持つ極薄膜は、併せて使用する製剤との組み合わせにより、様々な分野での活用が期待できる。花王では、膜の特長を最大限に活かす製剤の研究も重ねており、まずは化粧品領域において、スキンケア用途から応用を進めていく。
 化粧品領域を本年12月4日に事業化し、同社の「est(エスト)」、およびカネボウ化粧品の「SENSAI(センサイ)」から、ディフューザーによりつくられる極薄膜とエフェクター(専用美容液)を組み合わせた、新たなナイトケアを提案する。
 今回、「est」と「SENSAI」から発売する商品は、夜のスキンケアの最後に加える、2ステップからなるスペシャルケアアイテムで、高性能小型ディフューザーにより作られる極薄膜とエフェクター(専用美容液)を組み合わせ、新たなナイトケアを提案していく。
 具体的には、夜のスキンケアの最後にエフェクター(専用美容液)をつけ、次にディフューザーにポーションをセットし肌に極細繊維を吹き付ける。それにより、肌上に形成された極薄膜がなじんで透明になり、まるで自分の肌のように一体化して、寝ている間も長時間密着。膜をはがす翌朝まで、ひと晩中、肌の湿潤環境を整えて乾燥から守り、肌をうるおいで満たすというもの。
 花王では、今回展開するスキンケアに続き、メイクアップ化粧品の開発も推進していく。

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