メディカルプロレスでAEDの実演と啓発 枚方市健康・医療・福祉フェスティバル

AED処置で蘇生したAEDマン

 第31回枚方市健康・医療・福祉フェスティバルが27日、大阪府枚方市内で開催された。催しの一環としてメディカルプロレスによるAEDの実演会が行われ、「全市民が愛と勇気を持ってAEDを実践し、突然死を防ぐ」重要性が訴求された。
 プロレスを通してAEDを啓発・普及するメディカルプロレス代表の浅井富成氏(浅井医院院長・名古屋市)は、AEDマンとしてリングにも上がり、心肺停止になった味方や敵をAEDで蘇生するパフォーマンス展開し、AEDの使い方、蘇生法を披露する活動を全国的に繰り広げている。
 今回のフェスティバルでは、歌手のあべ静江氏、プロレスラーの長与千草氏、浅井氏らによる「AEDの実演会」および「命を繋ぐトークショー」が実施され、多くの参加者の興味を引いた。
 心肺停止になって突然倒れる人は年間2万5000人にも上る。だが、そのうちAEDが使用されるケースはわずか4%強に過ぎない。「AEDを施せば、その半数以上の人が蘇生する」と言われており、一般社会でのAED普及が大きな課題となっている。
 この日のメディカルプロレスのストーリーは、タッグマッチで勝利したAEDマンが試合後にリング上で突然心肺停止になって倒れ込む。
 すると、会場に居合わせた医療関係者の藤本良知氏(枚方市医師会長)、中山秀子氏(看護師)がリングに上がり、「胸と腹部の動きから呼吸をみる」、「呼吸が途切れ途切れであることを確認し、1分間100~120回、5cmの深さで胸骨圧迫を実施する」、「AEDが到着すると、患者から離れて電気ショックを与える」といった手順を実演で紹介するもの。
 無事蘇生したAEDマンは、「AEDの使い方は、音声が案内してくれるので簡単。一歩踏み込んで、愛と勇気を持って、一人でも多くの人の命を助けてほしい。若い小・中学生は、AEDを施すことでほぼ全員救える」と呼びかけた。
 藤本氏も「枚方市内は、コンビニでAEDが普及している。市民の皆さんのAEDに対するハードルを下げて頂き、助かる命を救ってほしい」と訴えかけた。

左からAEDマン、あべ氏、長与氏、中山氏


 続いて行われた“命を繋ぐトークショー”では、あべ氏が「私の周りでAEDで蘇生した人が4人いる。その人達が職場復帰して活躍する姿を見て、命は繋ぎ止めるものだと痛感した」と断言。その上で、自身が「AEDと骨髄バンクのドナーを啓発する活動を展開している」ことを紹介した。
 長与氏は、「私が代表を務めるプロレス団体“マーベラス”の所属選手は、全員AEDのライセンスを持っている。AEDの講習を受けており、万が一、リング上で心肺停止状態が起っても、誰もが何時でも対応できるようにしている」と明言。「AEDのライセンスは、1日講習でも取得可能で、色々な人に使い方を教えることができる。是非皆さんも取ってほしい」と訴求した。
 中山氏は、「突然倒れた人が女性の場合、服をめくってAEDを施すことにためらうが、首の方から手を入れて装着する方法もある」と紹介。
 さらに、「たくさんの人を集めて外側を向いて人垣を作れば、興味本位で覗きに来る人を防止できる」と述べ、「AEDを行っている時、大きな声を出して倒れている人を励ましてあげることも重要である」と強調した。

あべ氏
長与氏


     

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