J&Jは12日、アーリーダについて、前立腺がんP3相PROTEUS試験の最終解析において、手術前後の同剤投与により転移・死亡リスクが有意に低下したと発表した。
同結果により、前立腺がん手術の前後それぞれ6か月間(計1年間)、アパルタミドとホルモン療法(アンドロゲン遮断療法、ADT)を併用する治験段階の治療により、高リスク限局性または局所進行性前立腺がん患者における短期及び長期の主要な臨床転帰が有意に改善したことが示された。
同試験は、2つの主要評価項目をいずれも達成した。アパルタミドとホルモン療法の併用群では、ホルモン療法単独群と比較して、手術時にがんがごくわずかまたは全く残存しない可能性が9倍に高まった(8.9%対1.0%、病理学的完全奏効/微小残存病変、pCR/MRD)。
また、同併用療法により、転移または死亡リスクが20%低下し、後続治療が必要となるまでの期間が6年超に延長した。同結果は、2026年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表され、同時にThe New England Journal of Medicineに掲載された。
放射線療法と並び、前立腺を摘出する手術(根治的前立腺全摘除術)は、高リスク限局性または局所進行性前立腺がん患者に対する標準治療の1つである。だが、根治を目的とした手術を受けた患者の約半数でがんが再発し、追加治療や治療方針の再検討が必要となる場合がある。
追加治療は、がんが転移した後に初めて行われることが多いため、より早期に介入して長期転帰を改善する重要な機会が失われている。アーリーダは、アンドロゲンが受容体に結合するのを阻害し、前立腺がんの進行を遅らせるのに役立つ。
現在、がんが転移した場合(遠隔転移を有する前立腺癌 )や、特定のホルモン療法に反応しなくなった場合(遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌 )を含む、進行性前立腺がんに対する使用が承認されている。
◆同試験治験責任医師のMary-Ellen氏(TaplinDana-Farber Cancer Institute及びHarvard Medical School腫瘍内科医、M.D., FASCO)のコメント
高リスク限局性前立腺がん患者さんにおいて、初回治療レジメンの改善により前立腺がんの再発及び死亡リスクを低減することは、長年にわたるアンメットニーズであった。
PROTEUS試験では、術前にアーリーダをアンドロゲン遮断療法及び手術に追加することにより、転移又は死亡リスクが20%低下した。この結果は、後続治療の必要性を減らし、それに伴う副作用も抑えるとともに、根治率を高める可能性があるという点で特に大きな意義を持つ。
全身療法と手術を組み合わせるこのアプローチは、他の悪性度の高いがんではすでに標準治療となっており、今回、本疾患の患者さんにおいてもベネフィットが実証された。
◆Adam Kibel(Mass General Brigham泌尿器外科医、泌尿器科部門長)のコメント
数十年にわたり、手術は高リスク限局性または局所進行性前立腺がんの多くの患者さんに対する標準的なアプローチとされてきた。だが、今回のデータは、手術単独では十分でない可能性があることを示唆している。
アーリーダをより早期に導入し、根治を目的とした外科治療を基盤として治療成績を改善することで、前立腺がん治療のあり方を変革できる可能性がある。
