ALS治療薬のブラジルでの販売でライセンス契約 田辺三菱と第一三共

 田辺三菱製薬と第一三共は17日、田辺三菱製薬が創製したALS(筋萎縮性側索硬化症)治療薬「エダラボン」の点滴静注製剤について、ブラジルを対象国とした販売等の実施権に関するライセンス契約を締結したと発表した。
 また、田辺三菱製薬は、ブラジル以外の中南米を対象国とした同剤の販売等の実施権に関する優先交渉権、ブラジルを含む中南米を対象国とした同剤の他剤形追加時における優先交渉権を第一三共に付与した。 同契約に基づき、第一三共は、今後ブラジルにおいて、現地子会社を通じて、エダラボンの承認申請を行い、承認取得後に現地での販売を開始する。
 エダラボンは、田辺三菱製薬が創製したフリーラジカル消去剤であり、ALSの病態で上昇するフリーラジカルを消去して運動神経を酸化ストレスから保護し、筋力低下、筋萎縮の進行を遅らせる効果を有すると考えられている。
 同剤は2015年6月に「ALSにおける機能障害の進行抑制」を効能効果として日本で承認された後、韓国、米国、カナダ、スイス、中国の6か国で承認を取得している。
 田辺三菱製薬は、エダラボンの価値最大化に向けて、展開国の拡大を図るとともに、新規投与経路として、現在、経口剤の開発を進めている。今回の契約により、中南米におけるエダラボン販売の足がかりになるものと期待している。
 一方、第一三共は、ブラジルに自社販売網を持ち、各地域の市場に適合したリージョナルバリュー向上の一環として中南米市場における事業基盤を強化している。同剤の導入により、現地の医療ニーズに応えるとともに、さらなる事業拡大を目指す。

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