英ロイバントと戦略的提携で基本合意    大日本住友製薬

 大日本住友製薬は6日、英国のロイバント サイエンシズと、戦略的提携で基本合意書を締結したと発表した。基本合意は、ポスト・ラツーダの品目や、初期パイプライン、基盤技術および人材獲得による持続的成長を目的としたもの。今後両社は、大日本住友製薬による「ロイバント株式の10%以上取得」、「ロイバント保有新薬開発子会社5社の株式取得」、「AIを活用したデータ解析による新薬開発加速技術」などの獲得を協議。その対価として大日本住友製薬はロイバントに総額約30億米ドル(約3200億円)を支払う。正式契約は、本年10月を目途に締結する予定。
 今回の基本合意は、ロイバント子会社の株式取得、医薬関連プラットフォームの獲得、ロイバントの株式引受に関するもの。   
 その中で、ロイバントが保有する婦人科領域、泌尿器科領域、小児希少疾患領域、呼吸器系希少疾患領域を含む子会社5社の株式取得は、ポストラツーダ品目取得を目指すもの。
 具体的な品目には、 Relugolix(子宮筋腫、子宮内膜症、前立腺がんいずれもP3)、Vibegron(過活動膀胱P3、前立腺肥大症を伴う過活動膀胱P3、過敏性腸症候群関連疼痛P2)、 RVT-802(小児先天性無胸腺症、米国申請中)、Rodatristat Ethyl(肺動脈性高血圧症P2a)ーなどがある。これら品目については、2019年度から2022年度にかけて米国での承認が予定される。
 さらに、大日本住友製薬は、ロイバントに残る子会社のうち6 社の株式取得オプションも有しており、株式取得およびオプションの対象となる11社は、合わせて25以上の臨床開発プログラムを持つ。
医薬関連プラットフォームの獲得では、ロイバントの持つ独自のデータ分析エンジンによりパイプライン獲得・臨床開発などを加速させる「ドラッグオムテクノロジー」や、事業活動を通じて獲得したデータ解析により業務プロセスの最適化を図る「デジタルイノベーションテクノロジー」、および当該テクノロジーに携わる人材を取得する。
 大日本住友製薬の野村博社長は、「ロイバントと戦略的提携により、当社の新薬開発の効率化、デジタルトランスフォーメーションの加速が進む」との考えを強調する。
 ロイバントの株式引受は、大日本住友製薬がロイバントの株式の一定数(10%以上)を取得する。
 大日本住友製薬は、これらの戦略的提携に係る取引の対価として、総額約30 億米ドル(約3200億円)をロイバントに支払う見込みだが、金額は正式契約で確定される。
 野村社長は今回の基本合意について、「開発パイプライン、技術プラットフォーム、特色ある人材を併せ持つロイバントの画期的なビジネスモデルとそれを生み出した文化を高く評価している」と明言。
 その上で、「ポストラツーダの成長エンジン獲得だけでなく、中期経営計画2022における課題への対応、データとデジタル技術を活用した新しい製薬ビジネスモデルへの変革を通じて、我々が2033年に掲げる“グローバル・スペ シャライズド・プレーヤー”の地位確立を目指したい」と抱負を述べた。

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