抗酸菌症治療薬でHsiri 社とライセンス契約締結     塩野義製薬

 塩野義製薬は11日、Hsiri Therapeutics社(本社:米国ペンシルバニア州)との間で抗酸菌症治療薬の共同研究に関する新たなライセンス契約を締結したと発表した。
 同社は昨年5月31日にHsiri社との抗酸菌症治療薬の開発候補品の導入および共同研究契約の締結を発表しているが、今回の契約締結は、新規作用機序を有する抗酸菌治療薬の創出を目的とした共同研究に関するもの。
 現在遂行中の共同研究を補完して既存の抗酸菌症治療薬を上回る臨床効果を有する薬剤の創出が期待される。
 塩野義製薬は、感染症領域の低分子創薬力を活かし、Hsiri社との共同研究をさらに充実させていくことで中長期的に継続した抗酸菌症治療薬の創製をより強く推進する。
 今回の契約締結により、本共同研究から生じる抗酸菌症治療薬候補化合物の全世界における独占的開発・製造・販売権を塩野義製薬が獲得する。同社は、契約締結に伴う一時金ならびに今後の開発進展などに応じたマイルストン、製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーをHsiri社に支払う。
 抗酸菌症は、抗酸菌(非結核性抗酸菌および結核菌)に感染することで起こる疾患で、抗酸菌症は近年、日本を含む先進国において患者数の増加が報告されている。
 既存の治療薬は治療期間が長く治療効果が十分ではないため、効果の高い新薬の開発が期待されている。結核は世界三大感染症1の一つであり、全世界の新規患者は年間1040万人と報告されてる。
 近年、多剤耐性結核菌および超多剤耐性結核菌の出現が社会問題となっており、これらの結核菌に有効な治療薬の開発が期待されている。

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