大日本住友製薬は20日、子宮筋腫治療剤「ライエクオ」について、欧州委員会より、生殖可能年齢の成人女性における中等度から重度の子宮筋腫を適応症とした欧州で初めて、かつ唯一の1日1回経口投与の治療剤として承認を取得したと発表した。連結子会社のマイオバント社が20日(現地時間)に発表したもの。
同剤のP3試験の安全性および有効性に関するデータに基づき、投与期間の制限は付されなかった。欧州委員会による承認は、27 の欧州連合加盟国すべてに加えて、アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインに適用される。
今回の欧州委員会による承認は、同剤の 2 本の 24 週間の国際共同P3試験(LIBERTY1・2 試験)、1 年間の継続投与試験および最大2年間のランダム化治療中止試験での良好な骨密度のデータから構成されるLIBERTYプログラムでの安全性および有効性に関するデータに基づいている。 LIBERTY1・2試験の結果は、本年2月にNew England Journal of Medicine に掲載された。
マイオバント社とGedeon Richter社(本社:ハンガリー)は、昨年3月に同剤の子宮筋腫および子宮内膜症を対象とした欧州、ロシアなどの独立国家共同体、ラテンアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドにおける開発・販売に関する独占的ライセンス契約を締結している。
同契約に基づき、マイオバント社はGedeon Richter社より、契約一時金として4000万米ドル(約44億円)を受領済み。また、同剤の開発マイルストンとして最大4000万米ドル(約44億円)を、同剤の販売後には、販売マイルストンとして最大1億750万米ドル(約120億円)および販売額に応じた段階的なロイヤリティを受け取る可能性がある。
Gedeon Richter社は、同社テリトリーにおける同剤の臨床開発、製造およびすべての販売活動を担い、2021年後半から同社のテリトリーにおいて同剤を順次発売する予定である。
両社は引き続き連携し、子宮内膜症を対象とした同剤の欧州における販売承認申請の提出を2021年後半に予定している。
◆イタリア カタンツァーロのマグナグラシア大学准教授でLIBERTY試験治験医師のロベルタ・ベンチュレラ氏のコメント
本剤のP3試験であるLIBERTYプログラムのデータは、本剤が子宮筋腫の患者さんの代表的な症状(過多月経と痛み)を、良好な安全性プロファイルを維持しながら、改善することを示している。本剤の承認により、患者さんと医師は子宮筋腫の症状を管理する上で重要な、長期間投与可能な治療選択肢を遂に得ることができた。
◆デービッド・マレク マイオバント社 CEOのコメント
欧州で子宮筋腫を適応症とした初めてかつ唯一の1日1回投与で長期間投与可能な本剤の承認は、慢性的で潜在的な衰弱性の疾患である子宮筋腫に対する非侵襲的な治療選択肢を広げる上で重要なマイルストンである。Gedeon Richter 社とのパートナーシップを通じて、多くの子宮筋腫の患者さんをサポートしていく。