「慢性心不全の予防及び予後モニタリングの検証」で基本合意書締結 オムロンヘルスケアとMICIN

 オムロンヘルスケアとMICIN は29日、慢性心不全の予防及び予後モニタリングの検証を主旨とした基本合意書を締結したと発表した。同契約締結に伴い、慢性心不全患者の再入院予防に関する共同研究を7月より開始する。
 日本人の死亡原因において、循環器系疾患は悪性新生物(腫瘍)に次ぎ2番目に多く、循環器系疾患の中では心疾患による死亡数が最も多いといわれている。また、心疾患のうち、心不全による死亡数が最も多いことからも、リスクの高さが伺い知れる。さらに、心不全患者は増加傾向にあり、2030年には130万人に達すると推計されている。
 心不全治療の課題のひとつとして、再発防止があげらる。心不全の再入院率は1年以内で3割前後にのぼる。再入院の原因として「塩分管理、水分管理の不徹底」などが上位に挙がるため、退院後の患者によるセルフケアの難しさがうかがえる。
 特に、高齢者の場合は、再発により心機能、身体機能が低下し、併存疾患を有する場合も多いため、より厳密な管理が必要となる。
 こうした中、同研究では、日常生活における体重、血圧、心電図などの生体センシング情報と、自覚症状や患者本人の行動特性情報とを組み合わせ、個人に最適なセルフケアを提供、支援するシステムを構築する。
 同システムを治療現場で活用することで、医療従事者は患者の状態変化や特性を把握した上で対話できる。患者は治療への理解を促進し、セルフケアを継続できるため、今まで以上に治療に取り組みやすくなる。
 さらに、同研究をはじめ、MICINとオムロン ヘルスケアは、慢性心不全の予防及び予後モニタリングの検証など、事業展開を見据えた連携を継続し、心不全による再入院患者数の減少を目指す。

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