69項目の血液検査結果とAI技術の多面的評価で疾患リスクを予測 KYBメディカルサービス

 KYBメディカルサービスは、医療法人社団同心会の協力のもと、69項目の血液検査結果とAI技術による多面的評価で疾患のリスク予測を実施する。
 血液検査結果のレポートを29日より大幅にリニューアルし、受診者の健康・栄養状態のさらなる多面的評価、可視化を可能にするもの。同社はこのサービスにより、予防医療やセルフメディケーションの普及をさらに促進させ、日本の医療費削減に貢献していく。なお、同レポートは現在特許出願中。

 KYBメディカルサービスは、1991年に世界で初めて分子栄養学に基づく全身のスクリーニング検査(K01)を行うための60項目(当時)の血液検査セットを確立し、医師による解析をスタートした。
 血液検査と尿検査の結果から足りない栄養素を浮き彫りにし、医師・管理栄養士より生活習慣、中でも特に栄養アドバイスを重点的に行ってきた。
 今回のリニューアルでは、検査結果の解析の精度を向上させ、評価項目を5つに分類し、さらに血液検査項目では10の関連項目に分け、それぞれをA~Eの5段階で評価する。項目間の関連を考慮した上で医師が診療上重要視する項目に比重を高く置き、加えて、主観を除くためにAI技術を用いて多面的に評価計算を行う。
 血液検査と疾患のリスクを明らかにすることで、医師・管理栄養士による生活習慣や食生活のより細かなアドバイスが可能となり、予防医療やセルフメディケーションを促進する。新たな評価・血液検査項目、評価の一例、検査費用は、次の通り。

【評価項目】
「1.血液検査」「2.体組成」「3.自覚症状」「4.食生活」「5.日常生活」

【血液検査】
「タンパク質関連項目」「血糖関連項目」「脂質関連項目」「貧血関連項目」「炎症・免疫関連項目」「酸化ストレス関連項目」「酵素関連項目」「ミネラル関連項目」「腎・尿関連項目」「唾液検査」

【直近6000人分のスクリーニング検査(K01)による評価の一例(田畑淳子同心会KYBクリニック院長監修)】

 一般的に知られているように、血糖値やHBA1cに代表される血糖関連項目と糖尿病の罹患率は高い相関を持つ。同レポートでも同様に「血糖関連項目」において評価Aだった患者の糖尿病罹患率が0.42%であったのに対し、評価Dの患者で58.94%、評価Eでは73.81%の罹患率となった(図①)。
 尿素窒素、クレアチニン等を含む「腎・尿関連項目」では、評価Aだった患者の腎疾患罹患率が0.69%であったのに対し、評価Dの患者で58.94%、評価Eは100%の罹患率となった(図②)。

図1、図2
図3

 また、上記ほど広く認知されていない項目についても相関が認められた。
 例えば、「タンパク質関連項目」において評価Aだった患者の癌の罹患率が2.23%であったのに対し、評価Dの患者は4.95%であった(図③)。
 「脂質関連項目」と肥満に由来する病気(※2)との関連については評価Aだった患者の罹患率が7.83%であったのに対し、評価Eの患者は25.64%と3倍以上であった。同様に、評価とBMI、体脂肪率にも高い相関が出ている(図④~⑥)。

図4~7

 肥満に由来する病気(※2)に関しては「ミネラル関連項目」においても関連が認められた。(図⑦)
 相関は疾患だけに限らない。「貧血関連項目」においては、問診で「体がだるい」、「帰宅後は疲れてゴロゴロしている」、「風邪をひきやすい」のいずれかにチェックを入れた患者は評価Aで36.12%、評価Eで59.65%という結果となり、既に日常生活で疲れを感じている患者に対してヘム鉄のサプリメントを推奨しているが、それを裏付ける結果となった。(図⑧参照)

図8

【検査費用】
 同心会 KYBクリニックで検査費用(スクリーニング検査[K01])税込1万1000円)+レポート作成費用5500円。
 日本全国にある約180の提携医療機関でもこの検査が可能である。
 今回の6000人のデータ解析に加え、過去に受診した約38万人のスクリーニング検査(K01)の臨床データを多面的に統計解析し、データ活用の可能性をひろげ、医療の進歩につなげることを目指す。
 これまで医療は疾患を中心として治療法が選択されてきたが、疾患の状態は個々人で千差万別であり、同じ疾患であっても同じ治療法を適用することが必ずしも正しいとは言えない。
 KYBメディカルサービスは、今後も全身の健康・栄養状態と疾患の関係を明白にする。加えて、個々人の状態に合わせた治療を選択できるようになるオーダメイド医療、予防医療やセルフメディケーションのさらなる普及を目指し、日本の医療費削減につなげていく。

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