抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術に活用
ファンペップは29日、機能性ペプチド「AJP001」の用途特許が中国において成立したと発表した。「AJP001」は、抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術に活用するもの。同特許は、AJP001の抗体誘導ペプチド投与時に必要な免疫反応を活性化する用途等を保護する特許だ。
抗体誘導ペプチドは、患者の体内で抗体産生を誘導することにより治療効果を期待するペプチドワクチンである。バイオ製造施設で製造する抗体医薬品とは異なり、抗体誘導ペプチドは化学合成で製造することが可能なため、製造コストを抑制できる。
加えて、投与後は患者の体内で免疫細胞が一定期間持続的に抗体を産生するため、薬剤投与間隔の長さも期待される。
これら特徴により、ファンペップは、高額な抗体医薬品に対して医療費を抑制できる代替医薬品として抗体誘導ペプチドを開発し、先進国等で深刻化する医療財政問題の解決や患者様の負担軽減に貢献していく考えだ。
同社は、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチド「AJP001」を強みとする抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術を活用して炎症性疾患やアレルギー性疾患等の慢性疾患に対する抗体誘導ペプチドの創薬研究を進めており、これまでに標的タンパク質 IL-17A に対する抗体誘導ペプチド「FPP003」、標的タンパク質IgEに対する抗体誘導ペプチド「FPP004」及び標的タンパク質IL-23に対する抗体誘導ペプチド「FPP005」を創生して医薬品開発を進めている。
これらの開発品については、世界展開を視野に入れて開発を進めており、米国及び欧州に次ぐ医薬品市場規模があり、今後も拡大が見込まれる中国市場への事業展開についても検討を進めていく方針だ。
なお、同特許成立は、当期業績に影響を与えるものではないが、中国での同特許の実施について独占排他権が認められたことを意味し、AJP001を含有する抗体誘導ペプチドの開発プロジェクトを強力にサポートするものである。同特許は、米国でも既に成立しており、日本及び欧州等にも出願している。
今回、中国で成立した用途特許の概要は次の通り。
【発明の名称】新規ペプチドおよびその用途
【出願人】国立大学法人大阪大学
ファンペップは、大阪大学より独占的通常実施権の許諾を受けているアンチエイジングぺプタイドからサブライセンス(医薬品分野の独占的通常実施権の許諾)を受けている。
【特許番号】ZL201580052119.6