武田薬品は1日、糖尿病治療薬 4 剤(ネシーナ錠、リオベル配合錠、イニシンク配合錠、ザファテック)について、1330億円で帝人ファーマへの資産譲渡を完了したと発表した。
同資産譲渡契約は、本年2月に公表していたもの。譲渡対象製品は、今後も患者ニーズを満たす重要な役割を担うものの、同社の長期的成長を牽引する主要ビジネスエリアの製品には該当しない。
武田薬品は、現在、主要な 5 つのビジネスエリア(消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー、ニューロサイエンス)において最先端のイノベーションを追求している。
なお、同譲渡対象製品の2020年3月期における日本国内の売上高は308億円であった。
武田薬品および帝人ファーマは、製造供給契約および流通契約を締結し、武田薬品は引き続き同譲渡対象製品を製造して帝人ファーマに供給、流通は武田薬品が担う。
なお、同譲渡対象製品の製造販売承認権は当面の間武田薬品が引き続き保有し、承継時期については今後検討し決定する。
武田薬品は、同資産譲渡で得られる資金を負債の減額に充て、2021年度から 2023年度に純有利子負債/調整後EBITDA倍率を2倍にする目標に向け、レバレッジ低下をさらに加速させていく。
2019 年1月以降現在まで、同件を含め12案件で合計最大約129億米ドルの売却について公表しており、100億米ドルの売却目標額をすでに上回っている。
武田薬品は、同資産譲渡が本年4月1日に成立したことにより、2022年3月期第1四半期の連結業績に計上する。同資産譲渡に伴う税引前当期利益と親会社の所有者に帰属する当期利益に対する増益影響は、それぞれ約1300億円と約900 億円を見込んでいる。
同件は、ノン・コア資産の譲渡に係るものであるため、Coreベースの営業利益や当期利益に対する影響はない。2022年3月期の通期の連結業績予想については、本年5月の年度末決算発表の際に公表する予定である。