日本で新型コロナワクチンの製造販売承認申請 ファイザーとビオンテック

 ファイザーとビオンテックは18日、新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン候補「BNT162b2」の製造販売承認を厚労省に申請したと発表した。両社はすでに一部の非臨床試験、品質および臨床試験に関する資料を提出している。
 同申請に用いられた国際共同P3試験の臨床データは、The New England Journal of Medicineに掲載されている。同試験では、2回目接種7日後から評価したSARS-CoV-2感染歴のない参加者の集団(1つめの主要評価項目)、SARS-CoV-2感染歴のある参加者と感染歴のない参加者を含む集団(2つめの主要評価項目)の両方において、ワクチンの有効率は95%であった。
 外部データモニタリング委員会(DMC)から、現時点でワクチンに関連する安全性の懸念は報告されていない。また、有効率は年齢、性別、人種・民族で一貫していた。長期的な予防効果と安全性を評価するために、すべての治験参加者の評価を2回目接種から2年間継続する。
 国際共同P3相試験全体の約42%、米国の参加者の約30%が人種・民族的に多様な背景を有し、全体の約40%が56~85歳であった。
 また、日本人におけるBNT162b2の安全性、忍容性および免疫原性を評価する国内P1/2相試験が進行中であり、2回目の接種を完了している。来年2月までには主要なデータを得て結果がまとまる見込みであり、まとまり次第提出する。
 原田明久ファイザー代表取締役社長は、「日本をはじめ世界各国で新型コロナ感染症は増加し続けており、安全で有効なワクチンを届けするため、我々は各国の規制当局と連携しながらこれまでにないスピードで進んでいる」と強調。
 さらに、「今回の製造販売承認申請は、科学的に厳格で高い倫理に基づく研究開発から得られたデータに基づいており、承認が得られた際は、速やかに日本の皆さんにもワクチンをお届けし、社会生活正常化の一助として貢献していく」考えを示している。
 石橋太郎ファイザーR&D合同会社長は、「承認が得られた場合、新型コロナウイルスワクチンを日本の皆様にも速やかに提供できるよう、厚生労働省およびPMDAと引き続き緊密に連携していく」と明言。

Ugur SahinビオンテックCEOの氏、「日本における申請は、大きなマイルストーンである。我々のワクチンが、日本の皆さんが通常の生活を取り戻すこと、さらには2021年にオリンピック・パラリンピックが日本で開催され世界がまた一つになることに貢献したい」と訴求する。
 同本ワクチン候補の品質、安全性および有効性は、PMDAによって厳格に審査される。両社は、規制当局の承認が得られた場合、1億2000万回分の新型コロナ感染症ワクチンを2021年上半期に日本に供給することを日本政府と合意している。

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