欧州医薬品庁が「ロンサーフ」の適応追加承認勧告       大鵬薬品工業

 大鵬薬品工業は29日、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」について、欧州医薬品庁の医薬品委員会より、追加適応の承認勧告を受領したと発表した。
 勧告の対象となる適応症は、「少なくとも2レジメンの切除不能進行」、「再発胃癌に対する化学療法治療歴を有する食道胃接合部腺癌を含む切除不能進行」、「再発胃癌の成人患者に対する単剤療法」
 今回の勧告は、標準治療に不応または不耐となった切除不能進行・再発胃がん患者において、ロンサーフとプラセボの有効性と安全性を比較したP3試験 (TAGS)の結果に基づいたもの。 同剤は、主要評価項目である全生存期間(OS)の延長を達成した。また、同試験で安全性にかかわる新たな所見は観察されなかった。
 同剤は、今回の承認勧告を受けて、今後、欧州委員会で審議される運びになる。欧州委員会で販売承認されれば、同剤の追加適応の承認はEU加盟国28カ国とアイスランド、リヒテンシュタイン、およびノルウェーに適用される。
 ロンサーフは、大鵬薬品が創製・開発し、2015年に締結したライセンス契約の下、セルヴィエ社が欧州・その他地域(北米・日本/アジアを除く)での共同開発と商業化を推進。
 2016年に欧州で「フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、イリノテカン療法や抗VEGF抗体療法、および抗EGFR抗体療法を含む既存治療の施行後、またはこれらの治療法が適応とならない、遠隔転移を有する成人の結腸・直腸癌」の適応を取得している。
 これまでの進行・再発の結腸・直腸がん治療薬としての日米欧を中心とした展開に加え、本年2月には切除不能進行・再発胃がんの適応追加承認を米国で取得した。
 同様の適応追加申請は、日本でも昨年8月に提出しており、現在、審査段階にある。

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