サンバイオは5日、外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺の改善を効能・効果、性能とする細胞治療薬「アクーゴ脳内移植用注」(一般名:バンデフィテムセル)について、北海道大学病院において、市販後1例目となる患者への投与が実施されたと発表した。
今回の投与は、アクーゴが2024年7月に製造販売承認を取得し、2026年5月に販売を開始して以降、医療現場における市販後の使用として初めて実施されたもの。投与の概要は、次の通り。
◆実施医療機関:北海道大学病院
◆投与実施日:2026年10月2日(金)
◆対象疾患:外傷性脳損傷に伴う慢性期の運動麻痺
◆使用製品:「アクーゴ脳内移植用注」
今回の投与は、北海道大学病院において、所定の手続きを経て実施された。患者の術後の経過については、引き続き医療機関において慎重に確認される。
外傷性脳損傷は、世界中の主な死因および障害の原因の一つだ。2016年の世界の急性外傷性脳損傷の新規患者数は2700万人(推定)、外傷性脳損傷に続発する慢性障害の患者数は5550万人(推定)であった。
外傷性脳損傷および外傷性脳損傷に続発する長期に渡る運動機能障害は、患者の自立、雇用、およびQOLを著しく損ない、社会的・経済的観点からも各国の医療システムに大きな負担をもたらしている。
米国では、外傷性脳損傷で入院し生存した患者の約43%が長期の運動機能障害を経験しており2317万人が外傷性脳損傷に続発する運動機能障害を長期に抱えて生活していると推定されている。
一方、アクーゴは、健康成人骨髄液由来の間葉系間質細胞を加工・培養して作製されたヒト(他家)骨髄由来加工間葉系幹細胞(国際一般名:バンデフィテムセル)である。
脳内の損傷した神経組織に移植するとFGF-2(タンパク質の一種)が放出され、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し、神経細胞の増殖・分化を促進する作用が示唆されている。
バンデフィテムセル(SB623)は、厚生労働省より再生医療等製品として「先駆け審査指定制度」の対象品目として指定され、2024年7月31日に条件及び期限付製造販売承認を取得した。
米国では、FDAよりRMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy)指定を、欧州では欧州医薬品庁(EMA)より先端医療医薬品(ATMP)の指定を受けている。
◆森敬太サンバイオ代表取締役社長の コメント
アクーゴの市販後1例目の投与が北海道大学病院において実施されたことを大変意義深く受け止めている。2024年7月の製造販売承認取得、2026年5月の販売開始を経て、実際の医療現場においてアクーゴによる治療が開始されたことは、当社にとって重要な節目となる。当社は、今後もアクーゴの適正使用と安定供給に努め、必要とされる患者さんに適切な治療の選択肢として届けられるよう取り組んでいく。


