ナルコレプシータイプ1治療薬「オーゼイフル」 日本で製造販売承認取得 武田薬品

  武田薬品は24日、ナルコレプシータイプ1(NT1)治療薬「オーゼイフル」について、厚労省より製造販売承認を取得したと発表した。
 初のオレキシン2受容体(OX2R)選択的作動薬である同剤は、日本において、NT1に伴う個々の症状の管理ではなく、疾患そのものの治療を適応として承認された唯一の医薬品である。
 同剤は、武田薬品が日本の研究所において創製した新しい作用機序をもつ医薬品で、発売に向けた準備を進めている。
 NT1はオレキシンの欠乏によって引き起こされる慢性かつ希少な神経疾患である。NT1患者は、日中の過度の眠気、情動脱力発作(カタプレキシー:突然の筋緊張の消失)、夜間睡眠の分断、睡眠麻痺、幻覚、認知機能に関する症状など、日中および夜間にわたるさまざまな症状を経験する。
 24時間にわたって影響するこの疾患は、仕事、学業、社会的な交流を含む、患者さんの日常生活の多くの側面に深刻な影響を及ぼす場合がある。こうした大きな影響があるにもかかわらず、認知度の低さや症状の複雑さが誤診につながるケースがあり、診断までに平均で10年以上の期間を要することもある。なお、NT1の症状の範囲および重症度は、患者によって異なる場合がある。
 同承認は、グローバルP3試験であるFirstLight(TAK-861-3001)およびRadiantLight(TAK-861-3002)を含む包括的な臨床開発プログラムに基づくもの。
 これらの試験では、オベポレクストンが本疾患の各症状にわたって統計学的に有意な改善をもたらすことが示された。有意な改善には、日中の過度の眠気、カタプレキシーおよび臨床試験で評価されたその他の副次的指標における改善が含まれる。
 オベポレクストンは、これまでの臨床試験を通じて一貫した安全性プロファイルを示した。主な有害事象は、不眠症、尿意切迫、頻尿および唾液分泌過多であった。
 今回の厚生労働省による承認は、同剤が世界で取得した3つ目の承認となる。中国および米国でもNT1の治療を適応として承認されており、米国では現在、米国麻薬取締局(DEA)による審査手続き中である。他の国・地域における追加の承認申請手続も進行している。

◆ジュリー・キム武田薬品代表取締役社長 CEOのコメント
 初のOX2R選択的作動薬の創製は、日本発のサイエンスが、NT1とともに生きる世界中の人々に新たな希望をもたらすことを示す成果である。本剤は、NT1治療のあり方を変える可能性を有している。これは、当社の幅広いオレキシン戦略の具現化の第一歩を示すものであり、科学的イノベーションが患者さんに新たな可能性をもたらすとともに、武田薬品の将来の成長にもつながり得ることを示している。

◆井上雄一東京医科大学 睡眠学講座教授のコメント
 NT1は、24時間にわたって患者さんの生活に大きな影響を及ぼす疾患である。これまでの治療は主に個々の症状の管理を目的として行われてきた。近年、ナルコレプシーの病態に関する理解が進み、新たな治療アプローチの開発も進展している。今後、患者さん一人ひとりに適した治療選択肢が広がることを期待している。

◆宮柱明日香武田薬品ジャパン ファーマ ビジネス ユニット プレジデントのコメント
 NT1発症の原因となるオレキシン欠乏を標的とする治療法を見出すという、これまで誰も成し得なかった科学的ブレークスルーを実現するために、たゆまぬ努力を重ねてきた日本の研究者に深く敬意を表する。
 バイオ医薬品企業が、自社で創製・開発し、そして上市まで手がけ、世界中の仲間、医療従事者、そして患者団体の皆さんとともに、この日本発の新しい治療選択肢を患者さんにお届けできることを誇りに思う。

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