ナルコレプシータイプ1治療薬 「ORZEYFUL」 中国で製造販売承認取得 武田薬品

 武田薬品は23日、ナルコレプシータイプ1治療薬 「ORZEYFUL」について、中国において製造販売承認取得したと発表した。適応症は、ナルコレプシータイプ1を有する16歳以上の患者。
 オベポレクストンは、中国で承認された初の経口オレキシン2受容体(OX2R)選択的作動薬である。オレキシンシグナルの低下を回復させ、NT1を引き起こす原因となるオレキシン欠乏に対処するよう設計された同作用機序で唯一の承認薬だ。
 今回の承認は、グローバルP3試験であるFirstLight(TAK-861-3001)およびRadiantLight(TAK-861-3002)を含む包括的な臨床開発プログラムに基づくもの。
 これらの試験では、事前に規定されたNT1の各症状にわたる評価項目において、プラセボと比較して統計学的に有意な改善が示された。これには、日中の過度の眠気、情動脱力発作(カタプレキシー)、および臨床試験で評価されたその他の副次的指標における改善が含まれる。
 オベポレクストンは、これまでの臨床試験の結果において一貫した安全性プロファイルを示した。最も一般的な有害事象は、不眠症、尿意切迫および頻尿であった。
 中国での承認に加え、オベポレクストンは米国においてブレークスルーセラピー指定を受け、現在優先審査のもと新薬承認申請(NDA)が審査されている。加えて、日本においても先駆的医薬品指定を受け、同社における主要市場において並行して承認申請が審査されている。また、今後も他の国・地域における申請を進めていく予定である。
 ナルコレプシーは慢性かつ希少な神経疾患であり、中国では推定70万人が罹患しており、そのうち約75~80%がNT1であると考えられている。NT1は、オレキシン欠乏によって引き起こされ、覚醒と睡眠の間の移行を調整し安定させることが困難になる。
 その結果、患者は、日中の過度の眠気、情動脱力発作(カタプレキシー)、夜間の睡眠分断、入眠時および睡眠覚醒時の一時的な動作や発話の障害(睡眠麻痺)、入眠時や覚醒時の幻覚など、日中および夜間にわたるさまざまな症状を経験し、認知機能に関する症状を伴う場合もある。
 NT1は通常10歳から20歳の間に発症する。24時間持続するこの疾患は、仕事、学業、社会的な交流を含む、生活の多くの側面に深刻な影響を及ぼす場合がある。さらにNT1は、交通事故のリスク上昇や、不安、うつ、関連する精神的健康状態のより大きな負担とも関連する可能性がある。同疾患は、こうした大きな影響があるにもかかわらず、認知度の低さや症状の複雑さが誤診につながるケースがあり、診断までに平均で10年もの期間を要する場合もある。

◆Yan Liu武田中国ゼネラルマネージャーのコメント
 オベポレクストンは、ナルコレプシータイプ1の幅広い症状に対応する治療薬として中国において承認された初めてかつ唯一の医薬品であり、本疾患の治療のあり方を変える可能性を有している。
 このマイルストーンは人々と社会に深刻な影響を及ぼすことがある疾患に対する治療を前進させることを目指し、武田中国がニューロサイエンス領域への現地でのプレゼンスを拡大するうえでの重要な一歩となる。

◆Han Fang北京大学人民医院睡眠医学センター長兼北京大学睡眠研究センター長のコメント
 長年にわたり、ナルコレプシータイプ1の治療選択肢は、個々の症状を管理するための治療法に依存してきた。新たな治療選択肢が加わることで、ナルコレプシーとともに生きる患者さんの日常生活機能や生活の質の改善に寄与する可能性がある。

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