アステラス製薬は24日、ファイザーと共同で開発中の抗体-薬物複合体(ADC)「パドセブ」とMSDの抗PD-1抗体「キイトルーダ」の併用療法について、欧州委員会(EC)からシスプラチン不適応MIBC術前術後補助療法を対象とした適応追加承認を取得したと発表した。
対象は、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の切除可能な筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)患者を対象とした術前術後の補助療法。
今回の承認により、欧州連合(EU)においてこの患者集団に対する初めての、術前術後の補助療法の選択肢となる。
同承認取得は、P3相EV-303試験(KEYNOTE-905試験)の結果に基づくもの。EV-303試験は、シスプラチンを用いた化学療法に不適応、またはシスプラチンを用いた化学療法を拒否したMIBC患者を対象に、術前術後の補助療法としてエンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法(以下、「併用療法群」)と手術単独群を比較し、無イベント生存期間(EFS)および全生存期間(OS)の有意な改善を示した。
併用療法群は手術単独群と比較して、再発、病勢進行または死亡のいずれかが起こるリスクを60%減少させた(ハザード比[Hazard Ratio:HR]=0.40, 95%信頼区間[Confidence Interval:CI]:0.28-0.57; P<0.0001)。
また、OSの解析において、死亡のリスクを50%減少させた(HR=0.50, 95% CI:0.33-0.74; P=0.0002)。
EV-303試験における安全性は、各薬剤でこれまでに報告されているプロファイルと同様であり、新たな安全性シグナルは認められなかった。併用療法群における最も一般的な有害事象(≥30%)は、掻痒(かゆみ)、脱毛、下痢、疲労、貧血であった。EV-303試験の結果はNew England Journal of Medicineに掲載された。
膀胱がんは欧州において依然として大きな医療上の負担となっており、年間20万人以上が罹患すると推定されている。MIBCは膀胱がん症例全体の最大約30%を占めている。MIBC患者の約半数は、シスプラチンを用いた化学療法に不適応とされている。これまで、これらの患者さんは手術後の再発リスクが高いにもかかわらず、承認された術前術後の全身療法の選択肢はなかった。
同併用療法は、欧州において、白金製剤を含む化学療法に適応のある切除不能または転移性の尿路上皮がん患者に対する一次治療として、既に承認されている。今回の承認により、同併用療法の使用は、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の患者における、より早期の切除可能なMIBCへと拡大され、進行期の治療から根治を目的とした治療へと適応が広がる。
