ベーリンガーインゲルハイは25日、開発中の経口PDE4B 阻害剤「ネランドミラスト」について、第3 相FIBRONEER試験データに基づく長期生存予測モデルの解析において、特発性肺線維症(IPF)と進行性肺線維症(PPF)患者の生存期間延長の可能性が示唆されたと発表した。
未治療群と比較し、IPFの成人患者では最大5.4 年、PPFの成人患者では最大3.3 年の生存期間を延長する可能性が示唆されたもの。これらの解析結果は、ATS 2026 とEULAR 2026 の国際会議において発表された。
IPF 患者では、ネランドミラスト18mg単剤投与群の生存期間の中央値は9.1年で、未治療群の3.7年に対して2倍以上であった。
また、ニンテダニブの既存治療を受けている患者の生存期間の中央値が4.6年であったのに対し、ネランドミラスト18mgを追加投与した群では6.0年であった。
PPF患者では、未治療群の生存期間の中央値3.9年に対し、ネランドミラスト18mg単剤投与群では7.2 年であった。また、ニンテダニブの既存治療を受けている患者の生存期間が3.4年であったのに対し、ネランドミラスト18mg を追加投与した群では4.4 年であった。
FIBRONEER-IPF試験およびFIBRONEER-ILD 試験において、ネランドミラストは主要評価項目を達成し、IPFとPPFそれぞれにおいて、52週時のベースラインからの努力肺活量(FVC)の絶対変化量により評価された呼吸機能の低下をプラセボと比較して遅らせた。
いずれの試験においても、重要な副次評価項目は達成されなかったが、両試験のプール解析では、ネランドミラスト18mgの単剤投与群において、プラセボ群と比較して名目上有意な死亡リスクの低下(59%減)が認められた。
◆Toby Maher南カリフォルニア大学ケック医学校臨床医学教授(M.D.、Ph.D.)のコメント
ネランドミラストは、IPFやPPFの患者さんの予後に変化をもたらす可能性があると期待している。臨床現場において、努力肺活量(FVC)低下を遅らせることは、IPFやPPF の患者さんの生存予後を改善するための重要な前提条件であると考えられている。
FIBRONEER試験のデータと、それに基づく生存期間に関するモデル解析は、臨床的に意義のある改善を示唆するとともに、ネランドミラストがFVC 低下を遅らせることのみならず、患者さんの生命予後改善にも寄与する可能性を示している。
◆Lykke Hinsch Gylvinベーリンガーインゲルハイムのチーフメディカルオフィサー兼グローバルメディスン事業ヘッドのコメント
IPFとPPFは患者さんの生命予後にかかわる重大な疾患である。また、副作用の負担によって多くの患者さんが治療を断念せざるを得ず、持続的に得られるはずの治療効果が制限されてきた。
患者さんにとって忍容性があり、有効で安全な治療選択肢は、持続的で長期的な治療を支えられる可能性を示している。ネランドミラストは、この大きな第一歩と言える。ネランドミラストにより患者さんが長く治療を継続でき、さらに生存期間の延長が期待されることで、患者さんにとって大切なこと ― 大切な人とのかけがえのない時間を実感できる可能性がある。
