中外製薬は19日、全薬工業と共同販売している抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン」について、成人期発症の「頻回再発型あるいはステロイド依存性のネフローゼ症候群」に対する適応追加承認を厚労省より取得したと発表した。同承認は、製造販売業者である全薬工業が取得したもの。
ネフローゼ症候群は、腎糸球体係蹄障害による蛋白透過性亢進に基づく大量の尿蛋白漏出及び低蛋白(低アルブミン)血症を特徴とし、腎機能障害(慢性腎臓病及び急性腎障害)、浮腫、脂質異常症、血液凝固異常(血栓傾向)、内分泌異常、免疫不全、易感染性等をきたす病態の総称だ。明らかな原因疾患がない一次性(特発性)ネフローゼ症候群と、明らかな原因疾患に由来する二次性(続発性)ネフローゼ症候群に分類される。
さらに、一次性ネフローゼ症候群は、病理組織学的に主に微小変化型ネフローゼ症候群、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症、又は膜性増殖性糸球体腎炎に分類され、各病理組織型のステロイドに対する反応性を踏まえた治療方針が示されている。
これらの病理組織型ではステロイド投与後に寛解に至るものの、短期間で再発を繰り返す頻回再発型や、ステロイドの減量または中止に伴って再発し、ステロイドを中止できないステロイド依存性の患者がみられる。このような患者には免疫抑制薬による治療が検討されるが、腎毒性や性腺障害等の副作用が懸念されるため、新たな治療法が必要とされている。
リツキサンは、造血幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質であるCD20抗原に特異的に結合する抗CD20モノクローナル抗体で、標的となるB細胞をヒトの体内に備わった免疫系を用いて傷害する。ネフローゼ症候群の病因や疾患活動性にはB細胞の関与も示唆されており、リツキサンによりB細胞を除去することで、ネフローゼ症候群への治療効果が期待される。
リツキサンは、2014年8月に小児期発症の「難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)」、2024年9月には小児期発症の「難治性のネフローゼ症候群(ステロイド抵抗性を示す場合)」、2025年3月には小児期発症の難治性に至っていない「頻回再発型あるいはステロイド依存性のネフローゼ症候群」を効能・効果として承認されている。今回、成人期発症の「頻回再発型あるいはステロイド依存性のネフローゼ症候群」に対する承認を適応追加で取得した。

