「アバスチン」 神経線維腫症2型に対する世界初の治療薬として適応追加承認を取得 中外製薬

 中外製薬は19日、抗悪性腫瘍剤/抗VEGFヒト化モノクローナル抗体「アバスチン」について、神経線維腫症2型(NF2)に対する適応追加の承認を厚労省より取得したと発表した。アバスチンは同疾患に対して承認された世界で初めての治療薬となる。
 今回の承認は、NF2に対し、アバスチンの有効性および安全性を評価した医師主導の国内P2試験(BeatNF2試験)の成績に基づくもの。
 BeatNF2試験(FMU2019-01-NF2試験/jRCT2080224914)は、遺伝性の難病であるNF2を対象に、アバスチンの有効性と安全性を評価した、医師主導の多施設共同国内P2相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験である。福島県立医科大学附属病院をはじめ、国内12施設が参加した。
 同試験は62名の患者を対象に、初期治療期間の前半22週時まではアバスチンまたはプラセボを2週間間隔で投与し、後半24週以降46週時までは全例にアバスチンを2週間間隔で投与した。
 その後の経過観察期間においては、担当医が再増悪と判断した場合にアバスチンを最大6回まで投与することが可能とされていた。
 主要評価項目である「治験薬投与開始24週時点のベースラインとの比較による最高語音明瞭度の評価に基づく聴力改善患者の割合」は、アバスチン投与群で16.1%(5/31例、95%信頼区間:5.5-33.7)、プラセボ投与群で3.2%(1/31例、95%信頼区間:0.1-16.7)で、統計学的に有意な差は認められなかった(P=0.0858)。一方、投与期間を通じて、聴力指標の改善および副次評価項目である腫瘍体積の減少傾向等が示唆された。
 安全性については、アバスチンが投与された61例のうち57.4%(35/61例)に副作用が認められ、主な副作用は高血圧18.0%(11/61例)であった。 

◆奥田修中外製薬代表取締役社長 CEOのコメント
 神経線維腫症2型に対する世界初の治療薬として、アバスチンをお届けできることを大変嬉しく思う。NF2は難聴やめまいなどを来し、患者さんの日常生活に大きな影響を及ぼす希少疾患で、有効な治療薬の開発が望まれてきた。アバスチンは、聴力の維持や改善、腫瘍の縮小傾向が示唆されている新たな治療選択肢である。患者さんの治療とQOL向上に貢献できるよう、適正使用情報の迅速な提供に取り組んでいく。

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