アストラゼネカ11日、イミフィンジとイジュドによる周術期治療及びEVによる術前補助療法との併用投与について、P3試験で無イベント生存期間において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示し、全生存期間では良好な傾向を示したと発表した。
P3相VOLGA試験の計画された中間解析の結果、筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)患者において、イミフィンジ(デュルバルマブ)による周術期治療とエンホルツマブ ベドチン(EV)による術前補助療法との併用投与は、標準治療と比較して、無イベント生存期間(EFS)および全生存期間(OS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示したもの。
同試験は、シスプラチンを含む化学療法に不適格、もしくは同治療を希望されなかった患者を対象としていた。対照群の患者は、根治的膀胱全摘除術(膀胱を摘出する手術)を受け、必要に応じて承認された術後補助療法を受けた。
また、イミフィンジとイジュド(トレメリムマブ)による周術期治療とEVによる術前補助療法による併用投与は、EFSにおいて統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示し、OSでは良好な傾向を示した。しかしながら、計画された中間解析時点では、OSデータは統計学的有意ではなく、今後の解析において正式に再評価する予定である。
膀胱がん患者のおよそ4人に1人は、腫瘍が膀胱の筋層に浸潤した遠隔転移を伴わないMIBCである。さらに、腎機能障害や併存疾患により、最大で50%の患者さんがシスプラチンを含む化学療法の適応とならないとされている。
こうした患者に対する標準治療は、これまで根治的膀胱全摘除術単独であったが、このような大きな手術を受けた後でも再発率は高く、予後不良であることが知られている。
イジュドの有無にかかわらずEVとの併用おけるイミフィンジの安全性および忍容性は、各薬剤の既知の安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。これらのデータは、今後開催される学会で発表し、世界各国の規制当局にも提供する予定である。
イミフィンジは、P3相NIAGARA試験の結果に基づき、シスプラチンに適格なMIBC患者を対象として、40を超える国で承認されている。さらに、P3相POTOMAC試験では、高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者において、イミフィンジをBacillus Calmette-Guérin(BCG)療法に追加することで、主要評価項目である無病生存期間を達成しており、現在、欧州連合(EU)、日本およびその他複数の国々で審査中である。米国は、本年5月28日にFDA承認済み。
さらに、イミフィンジは、局所進行または転移性膀胱がんを対象としたP3相NILE試験でも検討している。
◆VOLGA試験の国際治験調整医師のThomas Powles氏(英国ロンドンのクイーン・メアリー大学ロンドン校バーツがんセンター教授・センター長)のコメント
筋層浸潤性膀胱がん患者さんの最大半数はシスプラチンの適応とならず、膀胱摘除術後であっても高い再発リスクに直面しており、有効かつ忍容性の良好な新たな治療法が強く求められている。
VOLGA試験の結果は、治癒目的の治療が受けられる患者さんにおいて、デュルバルマブによる周術期治療とエンホルツマブ ベドチンによる術前補助療法との併用投与が、手術と比較して、管理可能な安全性プロファイルのもとで無イベント生存期間および全生存期間を有意に延長したことを示している。
◆Susan GalbraithアストラゼネカOncology Haematology R&D担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのコメント
今回のVOLGA試験の中間解析結果は、イミフィンジによる周術期治療とエンホルツマブ ベドチンによる術前補助療法との併用投与が、手術と比較して患者さんにもたらすベネフィットを示しており、患者さんの治療選択肢を最適化する新たなレジメンとなる可能性がある。
NIAGARA試験およびPOTOMAC試験に続き、VOLGA試験は膀胱がんにおける3つ目のポジティブな結果であり、イミフィンジを、早期かつ治癒目的の治療における免疫療法の中心として確立する強固な基盤を築くものである。

