
メディセレと韓国医学系学部指定教育院の江南スカイ語学院は5月28日、両機関に「韓国人日本薬学部留学生支援センター」を日韓同時に開所し、その開所式をメディセレ大阪本部で執り行った。
両機関は昨年9月11日、韓国から日本の薬学部への留学希望者を対象に、江南スカイ語学院が韓国で日本語と薬学の基礎教育を行って日本の大学に合格させ、入学後はメディセレが留年することなく卒業し、日本の薬剤師国家試験に合格するまで継続的にサポートする「韓国人留学生サポートのための教育提携」を締結した。
同支援センターは、昨年の教育提携を具体的なオペレーションとして実装する両社共同の運営拠点として開設されたもの。入学前準備から、入学後の学習支援、進級・卒業、薬剤師国家試験対策までの6年間を一貫サポートする「日韓共同サポートシステム」の中核として同日より稼働を開始した。
特定の進学機関を経由した学生のみを対象とするものではなく、出身機関を問わず、日本の薬学部で学ぶ韓国人留学生のうち、学業・進級・卒業・薬剤師国家試験準備に困難を抱えている学生を広く支援する共同支援体制として運営されるのが大きな特徴だ。
2025年9月の業務提携締結以来、メディセレと江南スカイ語学院は「韓国人留年することなく卒業し、日本の薬剤師国家試験に合格するまで継続的にサポートする」という共通目標の下、その実現に必要な共同オペレーション設計を進めてきた。今回の支援センター開所は、その理念を稼働可能な共同サポートシステムとして具体化する、提携の第二段階の正式な始動点となる。
両国での同名センターの同時設置は、留学生支援が従来「韓国フェーズ」と「日本フェーズ」に分断されてきた構造を改め、両国の指導機関を一つの支援単位として運用する体制を、物理的・組織的に確立するもので、日本の医療系教育における留学生支援モデルとして、業界に先駆けた取り組みとなる。
日本の薬学部は6年制であり、進級試験、CBT・OSCE、卒業試験、さらに薬剤師国家試験という複数の関門を経てはじめて薬剤師免許の取得に至る。これまで韓国における日本薬学部留学市場は「入学」を最終目的として組み立てられる傾向があり、入学後の学業継続を支える体制は十分とは言えなかった。
これは韓国側・日本側の特定の機関の責任ではなく、留学生支援の枠組み自体が「入学後の継続支援」を制度として組み込めていないという、業界全体の構造的課題である。
こうした構造的課題の中、安定した成果を出し続けてきたのが江南スカイ語学院だ。同学院出身者は入学前から日本薬学部のカリキュラムに合わせて、日本語、基礎科学、専攻適応、進級戦略までを統合的に準備して渡日するため、過去14年間の指導実績の中で、安定した進級率と高い薬剤師免許取得実績を積み上げてきた。
同学院は、北海道医療大学、北陸大学、千葉科学大学、長崎国際大学、徳島文理大学など、日本の薬学系大学9校以上と提携し、毎年約30名の学生を日本に送り出している。同学院が重視するのは入学実績ではなく、入学後も学業を継続し、最終的に日本の薬剤師免許を取得した卒業生の数で、同学院出身者の直近3年間(2024年〜2026年)の日本薬剤師免許取得者数は計68名に達している。
このように「入学前準備+入学後支援」というモデルが機能することは既に韓国側で実証されてきた。同支援センターでは、この実証済みモデルにメディセレが薬剤師国家試験対策において積み重ねてきた合格率実績と個別指導のノウハウを統合し、「入学後の支援体制こそが薬剤師輩出の鍵である」ことを実装をもって示す。同支援センターを通じた両機関の役割分担は次の通り。
◆メディセレ(日本)の役割:日本の大学入学後、留学生に対し学習進捗支援、進級・卒業対策、CBT・OSCE対策、薬剤師国家試験対策を一貫提供。「留年することなく6年間で卒業し、薬剤師国家試験に合格するまで」を伴走する。同システム全体の運営においては、メディセレが日本側のハブ機関として中核を担う。
◆江南スカイ語学院(韓国)の役割:韓国国内において、入学前の日本語、基礎科学、専攻適応、進級戦略指導を担い、学生を「合格後に通用する状態」に仕上げて送り出す。在学中・卒業準備段階では、韓国側の窓口として学生・保護者からの相談に対応する。
◆支援センターの機能:両機関が学生個々の進捗データを共有し、韓国フェーズと日本フェーズを通じた切れ目のない指導判断を実現する。
同支援センターの最大の特徴は、江南スカイ語学院を経由して進学した学生のみを対象とするのではなく、出身機関を問わず、日本の薬学部に在籍する韓国人留学生のうち、学業・進級・卒業・国家試験準備に困難を抱える学生を広く支援対象とする点にある。
これまで日本の薬学部に留学した韓国人学生のうち、入学前は様々な進学機関の支援を受けながら、入学後に学業上の困難に直面した際には、支援先を見つけられず孤立してしまうケースが少なからず存在した。同支援センターは、こうした学生を取り残さないために設立された。学生にとって本当に重要なのは、入学後も学業を継続し、進級し、卒業し、最終的に薬剤師国家試験に挑戦できる状態まで到達できるかどうかである。
両機関は、出身機関にかかわらず、日本で薬剤師を目指して努力している韓国人留学生に対し責任を持って支援を提供していく。

◆開所式における児島惠美子メディセレ代表取締役社長のコメント
2026年3月に発表された第111回薬剤師国家試験(厚労省発表)では、全体合格率68.49%、新卒86.25%、既卒41.33%と、相対基準導入後はじめて合格者が9000人を下回った。加えて、2024年度入学生からは薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)が適用され、今後共用試験・薬剤師国家試験も新カリキュラム対応へと順次移行していく。日本人学生にとってさえ、6年間で確実に薬剤師免許を取得することは、もはや当然の結果ではない時代に入っている。
言語の壁を抱えながら同じ関門に挑む韓国人留学生にとって、その難度はさらに高まる。メディセレは、薬剤師国家試験対策において合格率実績と個々人に寄り添った指導で評価をいただいてきた予備校として、進級・卒業・国試対策の指導ノウハウを本支援センターを通じて余すところなく提供し、教育の力で、出身機関を問わず、一人でも多くの韓国人留学生を最後まで支え抜いていく。
◆崔根澤江南スカイ語学院 院長のコメント
今回の開所式は、単なる業務提携の発表ではない。準備のないまま日本の薬学部に入学し、留年や中途離脱で挫折していく韓国人留学生をもはや放置しないという宣言である。
日本の薬学部留学は、大学の門をくぐった瞬間に成功が決まるものではない。6年間の学業を継続し、進級し、卒業し、最後に薬剤師国家試験へ挑戦できるところまで進んで初めて、その留学には本当の意味が生まれる。
だが、入学後に困難を抱えながらも、十分な支援を受けることができず、一人で悩み続けている学生がいるのが現実である。日本で薬剤師を目指して努力している韓国人留学生である以上、出身機関を問わず支援を必要としている学生を見過ごしてはならない。
本支援センターは、学生を増やすだけではなく、留年や学業不振を経験した学生にも、もう一度前へ進むための道を示すものでもあり、出身機関を問わず支援を必要とする韓国人留学生に対し、我々責任を持って向き合っていきたい。
