MSDは11日、ENFLONSIA(clesrovimab)について、P3相SMART試験において、RSウイルス感染症の重症化リスクが高い2歳未満の乳幼児における生後2回にわたるRSウイルス感染流行期で良好な結果を得たと発表した。
SMART試験は、RSウイルス感染症の重症化リスクが高い乳幼児を対象にENFLONSIAの安全性、有効性、薬物動態を生後2回にわたるRSウイルス感染流行期を通して評価したP3試験である。
これらの試験結果、イタリア・ローマで開催されたRespiratory Syncytial Virus Foundation(ReSViNET)主催の第9回学会「RSVVW’26」で発表された。
SMART試験で得られた新たなデータでは、生後2回目のRSウイルス感染流行期に入ってもRSウイルス感染症の重症化リスクが高い、2回目の流行期の開始時にENFLONSIAを投与された2歳未満児での安全性は、SMART試験において生後1回目の流行期にENFLONSIAを投与された乳児で確認された安全性と概ね一貫していた。
さらに、2回目の流行期に入ってもRSウイルス感染症の重症化リスクが高い2歳未満児において、ENFLONSIAの血清中濃度(副次評価項目)は、第2b/3相CLEVER試験(MK-1654-004、NCT04767373)において健康な乳児で確認された血清中濃度と同程度であった。SMART試験結果は、2回目の流行期を通してRSウイルス感染症の重症化リスクが高い2歳未満児における有効性の推定を支持するものだ。
ENFLONSIAは、P3相SMART試験の生後1回目のRSウイルス感染流行期に関する中間データやP2b/3相CLEVER試験のデータにもとづいて昨年年6月にFDAに承認され、その後、世界各国の規制当局の承認を取得した。
SMART試験で得られた1回目の流行期の中間データは、IDWeek 2024で発表され、The New England Journal of Medicineにも掲載された。SMART試験では、早産(在胎29週未満から35週以下)や早産による慢性肺疾患(CLD)または血行動態に影響を及ぼす先天性心疾患(CHD)によってRSウイルス感染症の重症化リスクが高い、生後初めてRSウイルス感染流行期を迎える乳児が登録された。
生後2回目のRSウイルス感染流行期においてRSウイルス感染症の重症化リスクが高い幼児に対する適応拡大に向けて、MSDは今回の2回目の流行期に関する結果をFDAおよび世界中の規制当局に提出する予定である。
ENFLONSIAは現在、米国、カナダ、その他数カ国で、生後初めてRSウイルス感染流行期を迎える乳児を対象として承認されており、世界のその他の地域でも承認申請を進めている。
ENFLONSIAは、乳児の体重に関係なく同じ用量を1回投与することで、RSウイルスが流行する典型的な期間である5カ月にわたり直接的かつ迅速で持続的な予防効果が得られるように設計された長期間作用型モノクローナル抗体(mAb)である。
◆SMART試験の治験責任医師であるパオロ・マンゾーニ氏(イタリア・ポンデラーノのトリノ大学Degli Infermi病院母子医療部長)のコメント
生後2回目のRSウイルス感染流行期にENFLONSIAを投与されたすべての幼児がRSウイルス感染症の重症化リスクを有し、ほぼ全員に慢性肺疾患または先天性心疾患があった。
SMART試験から得られた新たな知見は、このようなリスクの高い、2回目の流行期での追加投与が必要となり得る幼児を守るために、ENFLONSIAが貢献できる可能性を示している。
◆マカヤ・ドウォーギMSD研究開発本部バイスプレジデント兼疾患領域責任者のコメント
RSウイルスは世界的に、乳児が入院する主な原因となっており、重症化リスクが高い2歳未満児において特に深刻である。
SMART試験の新たなデータは、ENFLONSIAが、重症化リスクが高い乳幼児を守るための新しい重要な選択肢となる可能性をさらに高めるものであった。当社はENFLONSIAを、投与対象となる世界のすべての乳児およびリスクの高い2歳未満児に届けることを目指しており、その目標のためにこのたびの良好な結果を各国の規制当局に提出することを喜ばしく考えている。

