武田薬品は2日、真性多血症治療薬「rusfertide」について、米国FDAが新薬承認申請(NDA)を受理し、優先審査に指定したと発表した。
rusfertideは、真性多血症(PV)の成人患者を対象とした開発中のファースト・イン・クラスのヘプシジンのペプチド模倣薬である。FDAは、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日を2026年7-9月に設定している。加えて、rusfertideはFDAより、ブレークスルーセラピー、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)およびファストトラックの指定を受けている。
2024年1月、武田薬品はProtagonist社とrusfertideに関する全世界でのライセンスおよび提携契約を締結した。Protagonist社はrusfertideを創製し、P3試験までの開発を主導し、武田薬品は、米国における新薬承認申請の戦略の実施および今後の全世界での規制当局に対する申請を主導する役割を担っている。
Protagonist社は、米国において50:50のプロフィットシェアで共同販売する権利を有し、またこのプロフィットシェアからオプトアウトする権利を有する。同契約に基づき、Protagonist社がオプトアウト権を行使した場合、武田薬品は全世界でのライセンスを取得する。
rusfertideは、鉄の恒常性および赤血球産生を調節する天然型ホルモンであるヘプシジンの作用を模倣するファースト・イン・クラスの開発中皮下注射薬だ。真性多血症における鉄代謝異常の根本的なメカニズムに作用することで、過剰な赤血球産生を抑制し、持続的なヘマトクリット値のコントロールを目指す。週1回の皮下自己注射で投与され、これまでの臨床試験では概ね良好な忍容性が示されている。
PVは、赤血球が過剰に産生される赤血球増加症によって特徴づけられ、血液の粘度または濃度が上昇し、生命を脅かす血栓症を引き起こす可能性がある。
ヘマトクリット値は、血液全体に占める赤血球の割合を示す指標だ。PVでは、血栓症を防ぎ負担の大きい症状を軽減するために、ヘマトクリット値を45%未満に減少させ、維持することが主要な治療目標となる。
今回の申請は主に、P3相グローバル無作為化VERIFY試験(NCT05210790)の32週時点の主要解析および52週時点の結果、ならびにP2相REVIVE試験(NCT04057040)および長期投与THRIVE試験(NCT06033586)からの4年の有効性と安全性データの結果に基づくもの。
VERIFY試験では、標準治療群と比較し、rusfertideに標準治療を併用した治療群は高い奏効率を示し、ヘマトクリット値のコントロール、瀉血回数の減少、および事前指定された疲労および症状による負担に関する患者報告アウトカム項目の改善を含む、主要評価項目および4つの主要な副次評価項目すべてを達成した。
また、rusfertideは52週間の治療期間を通じて概ね良好な忍容性を示しました。最も多く認められた治療に伴う有害事象(AE)は、局所注射部位反応(47.4%)、貧血(25.6%)、疲労(19.6%)であり、いずれも主にグレード1または2であった。重篤な有害事象は、全体の8.1%の患者で発現した。
◆アンドリュー・プランプ武田薬品のリサーチ&デベロップメント プレジデントのコメント
PVでは、ヘマトクリット値をコントロールする治療選択肢が限られており、患者さんの症状による負担も大きいことから、革新的な治療オプションに対する切実なニーズが存在している。
FDAによる本申請の受理は、患者さんの臨床的アウトカムやQOLの意義ある改善を達成し得るファースト・イン・クラスの治療を提供できる可能性に、一歩近づいたことを意味する。このマイルストンはProtagonist社とのパートナーシップの順調な進展、および依然として大きなアンメット・ニーズが存在する血液がん領域において、革新的な治療法の開発を前進させるという武田薬品の揺るぎないコミットメントを示すものである。
◆Dinesh V. Patel Protagonist社社長兼CEO(Ph.D.)のコメント
rusfertideは、PVのアンメット・ニーズに応えるため、ヘプシジン模倣という新規メカニズムの探索からペプチドの創製、さらに新薬承認申請に至るまでの臨床開発を推進してきたProtagonist社のエンドツーエンドの専門性を体現するものである。
FDAがrusfertideを優先審査に指定したことを大変喜ばしく思っており、2026年中の承認の可能性を期待している。我々は、武田薬品という素晴らしいパートナーを迎え、rusfertideが本マイルストンに向けて前進していることを大変心強く思う。今回の進展は、概念段階から商業化に至るまで10年以上にわたって続けてきた私たちの努力が、成功の形で結実しつつあることを示している。

