転倒したとき“だけ”柔らかい転倒骨折防止マット「ころやわ」 転倒骨折リスクの大幅低減に期待 マジックシールズ

 マジックシールズ(本社:静岡県)は、転んで強い衝撃が加わったときだけ柔らかくなる新素材を採用した“次世代衝撃吸収マット”「ころやわ」を8~10日に開催された「SusHi Tech Tokyo 2025」に出展した。
 同社は2019年に設立された自動車工学と医学をベースに新素材と構造「メカニカル・メタマテリアル」の研究開発、および製造・販売を行うスタートアップである。世界で増加している高齢者の転倒による骨折を減らすため、転んだ時だけ柔らかい「可変剛性構造体」を使った「ころやわ」を開発し販売している。
 「ころやわ」は、3Dプリンタで700パターン以上の試作を重ねて開発された「メカニカル・メタマテリアル」。高齢者の転倒による骨折や怪我を防ぎ、健康寿命の短縮という世界共通の社会課題に挑む革新的な発明だ。同製品には、日本の忍者が沼地を歩く際に用いたとされる秘術「水蜘蛛(みずぐも)」の原理を応用した技術「NINJA TECH」が採用されている。


 会場では、「転んだときだけ柔らかくなる」という特徴を、クールな忍者ガールズがダンスで“実証”。グローバルな来場者に向けて、スタイリッシュな忍者衣装をまとった「忍者ダンサーズ」が登場し、“転んでも痛くない!”を体感できる圧巻のパフォーマンスを披露した。ダンスパフォーマンスでは、3人のプロダンサーが女性忍者に扮して登場。床に体を激しく打ち付ける振付を交えながらも、強い衝撃ほど柔らかくなる「ころやわ」の性質によって、痛みなく笑顔で踊り切り、その効果を見事に実証した。
 実際に転倒する演出を交えたパフォーマンスは大きな注目を集めた。多くの要望に応えて、同ダンスの様子をYouTubeで公開している。

 転倒による骨折は、寝たきりや認知症、介護状態のきっかけになる重大なリスクです。日本では年間約100万人、世界では約2000万人が転倒骨折を経験しており、2000年から2020年の間にその数は2倍に増加したとされている。
 「ころやわ」の活用により、転倒骨折のリスクを大幅に低減できる。転倒に起因する医療費・介護費は、日本で年間約2兆円、アメリカでは約7兆円にも上るとされ、予防策の導入は社会的にも大きな意義がある。
 2024年にはセンサーを内蔵したモデルの発売も開始し、転倒後の衝撃緩和だけでなく、転倒そのものの防止にも貢献。家庭、高齢者施設、保育施設、病院など、転倒リスクが高い現場にとって、重要なソリューションとなるテクノロジーである。
 「ころやわ」の発明者であるマジックシールズ代表取締役の下村明司氏は、元ヤマハ発動機の研究開発職で、モータースポーツ用バイクの安全性向上に取り組んできた。プライベートでも、雨に濡れないバイク用シールドや、女性や子どもでも扱いやすい折り畳み式シールドなど、「ひとを守る発明」を多数手がけている。
 

タイトルとURLをコピーしました