IQVIAジャパン グループは、2024年(1-12月)の日本の医療用医薬品市場(薬価ベース)は11兆5037億1300万円(2.0%増)に上ると発表した。「IQVIAジャパン トップライン市場データ」として公表したもの。
市場別では、「病院(病床100床以上)」5兆4109億9000万円(前年比2.3%増)、「開業医(病床100床未満)」2兆1690億5600万円(同3.2%増)、「薬局その他」3兆9236億6700万円(同0.8%増)となった。
当該期間の日本医療用医薬品市場は、4年連続前年増(2.0%増)で11億5037億1300万円で2年連続の11兆円台で、2005年暦年からトップライン市場データ発表以来最高額となった。2005年の市場は7兆7455億0900万円で、2024年までに148.52%(約3兆7600億円)拡大した。
売上げ上位10薬効では、薬効首位が「L01 抗腫瘍剤」で今期の売上高は1兆9706億2200万円と2兆円台を目前にしている。2023年は未受診患者の治療再開による反動で(10.5%増)の二桁の高成長を記録したが、2024年は再開影響が一服したことに加え、4月の薬価改定影響が響き(1.0%増)と成長鈍化した。 「7位 J07 ワクチン類(含トキソイド)」は、(44.1%増)の3390億円と大きく伸長した。2024年10月より定期接種となった新型コロナワクチンに加え、キャッチアップ接種が実施されている子宮頸がんワクチンや新発売の5種混合ワクチンの伸長が成長に寄与した。
売上げ上位20社(販促会社レベル)は、中外製薬(5329億92百万円・2.4%減)が21年に初めてトップになり4年連続。売上高上位20社中、前年比+10%超の高成長を記録したのは、8位のファイザー(3209億3400万円・29.9%増)、11位のサノフィ(2591 億5000万円・14.7%増)、20位のツムラ(1851億0400万円・18.6%増)の3社。一方、前比年-10%超を記録したのは、 16位の小野薬品(2325億0400万円・10.4%減)の1社。
なお、2024年第4四半期(10-12月)】日本医療用医薬品市場トピックは次の通り。
・ 当該期間の日本医療用医薬品市場は、4年連続前年比増(4.0%増)で3兆1221億9600万円。2年連続で3兆円台に乗せ、全四半期ベースにおいても2005年暦年からトップライン市場データ発表以来最高額となった。
2005年第4四半期の市場は2兆1447億8400万円で、2024年第4四半期までに145.57%(約1兆円)拡大した。
・ 売上げ上位10薬効では、薬効首位はL01 抗腫瘍剤で(0.7%増)の5184億円、2位 A10 糖尿病治療剤 2056億円の約2.5倍の市場規模で、市場内におけるプレゼンスは依然として高いものの、市場拡大再算定となった製品が多く、市場平均よりも厳しい薬価改定影響を受けたため成長鈍化がみられた。
4位の J07 ワクチン類(含トキソイド)は前年比ほぼ倍増(98.2%増)。2024年10月から定期接種になった新型コロナワクチンとキャッチアップ接種が行われている子宮頸がんワクチンの伸長が高成長に寄与した。
・ 売上げ上位10製品では、首位が2024年5月17日発売のコミナティで656億9800万円。2024年10月より新型コロナワクチンが定期接種となった影響を受け、初登場トップとなった。2位キイトルーダは517億3600万円(18.8%増)。2024年4月の薬価改定で薬価を維持したことに加え、2024年5月に取得した胃がんと胆道がん併用療法の適応追加により大きく伸長し、今期は成長が加速した。
なお、IQVIAの日本医薬品市場統計(JPM)は、医薬品卸を介した流通情報を基礎データとしているため、通常の医薬品とは流通が異なる場合IQVIAの医薬品市場統計へは反映されない。
