パワーエックスは23日、2 月より法人が EVを社用車として所有・利用する際の課題を解決する新たなサービス「PowerX EV 充電法人プラン」の提供を開始すると発表した。
アスアストラゼネカと連携し、日本における超急速 EV充電インフラネットワーク拡充のため、法人向けEV充電サービスの実証実験を推進し、今回のプランを考案したもの。
日本では、急速 EV 充電インフラの不足に加え、ガソリン車の給油に比べて充電時間が⻑いこと等が、企業が社用車をEVに切り替える際の課題となっている。
一方、EVを社用車として利用する営業活動は、ガソリン車と異なる時間の活用や効率化が求められる。アストラゼネカは、2021 年からこれまでに、全国の医療機関を訪問するMRの営業車の70%以上をEVに切り替え、EV 特有の課題に直面していた。
その課題として、①EV チャージステーションが不足し、充電器の空きがない場合に待ち時間が発生する、②ガソリン車の給油に比べて充電に時間がかかり、業務効率の低下につながる、③一般的な充電器では30 分の利用制限があり、十分な充電ができない、④30 分以内では充電中に車内でのオンラインミーティングなどに活用することも困難ーが挙げられる。
これらの課題に対応するため、超急速充電における高い技術を誇るパワーエックスは、国内最大級のEV導入率を誇るアストラゼネカ(2025 年 1 月時点で、EV 導入率約 70%、約1400台に相当)と連携。
両社は、法人のEV用の課題について協議を重ね営業効率を向上させる法人プランを実現した。パワーエックスの法人プランの概要および特徴は次の通り。
【法人プランの概要】
◆ 会費:なし
◆ 充電料金:従量課金制(円/kWh)
◆ 充電メニュー
Economy (系統電力):65 円
Regular(純再エネ 70%):70 円
Premium(純再エネ 100%):75 円
◆ 利用可能ステーション:58か所(2025 年 1 月 23 日時点)。順次拡大中
◆ 開始時期:2025 年 1 月 23 日より受付を開始し、2 月 1 日より法人プランを提供開始。
【法人プランの特徴】
◆ 国内最速級の 150kW 充電。充電時間を大幅短縮
◆ 3日前からの事前予約可能。充電待ち時間ゼロで業務の効率化
◆ 業界初、最大75分の予約枠。充電が終了しても予約時間内であれば終了時間まで車両の移動をする必要がなく、充電中のオンラインミーティングや顧客面会など営業活動が可能に。
◆ 法人間の一括請求。個別精算にかかる時間を削減
◆ 純再エネ 100%による EV 充電が可能で、企業の脱炭素化を促進
詳細は:https://power-x.jp/ev-charging/for-bizより
今後、パワーエックスは同法人プランをアストラゼネカと同様の課題を抱える法人に提供すると共に、再生可能エネルギーを使用した充電メニューを提供・拡充し、利用する法人向け脱炭素化の取り組みに関する証書等の発行も検討する。
また、両社の連携は、同法人プランの提供にとどまらず、インフラの整備においても協力関係を構築する。アストラゼネカは MR のEV営業車両運用データを共有し、パワーエックスは法人ユーザーの利便性向上を目指して、新たに10 カ所のチャージステーション開発を進める計画だ。既に静岡県や兵庫県をはじめとする候補地への設置検討を開始し、今後は寒冷地を含む他地域にも検討を拡大する。これらの取り組みを通じて、両社は日本における EVの普及を後押しし、より持続可能な社会の実現に貢献していく。
◆伊藤正裕パワーエックスCEOのコメント
脱炭素化が進む中、企業の商用車の電動化が加速している。パワーエックスは、拡大を続ける超急速充電ネットワークを法人の顧客に活用して貰うことで業務効率化を支援し、100%再生可能エネルギーを活用したクリーンなモビリティの実現に貢献していく。今回、医薬品業界のリーディングカンパニーであるアストラゼネカにパワーエックス法人プランを採用いただき、誠に光栄である。
アストラゼネカ社員からいただく貴重な意見をもとに、さらなるサービス向上と充電ネットワークの拡充に努めていきたい。
◆堀井貴史アストラゼネカ代表取締役社⻑のコメント
アストラゼネカは、脱炭素目標「アンビション・ゼロカーボン」の実現の一環とし EV100%を掲げているが、達成には、質・量ともに不十分な充電インフラなどの社会課題の克服が必要である。パワーエックスの超急速充電の高い技術と、アストラゼネカの全国で EV を導入してきた経験の融合は、日本の EV 環境を次のステージに引き上げ、寒冷地を含む残された課題についても解決への道を切り開けると期待している。