抗体-薬物複合体PADCEVとペムブロリズマブの併用療法 中国で尿路上皮がんの適応追加承認取得 アステラス

 アステラスは8日、抗体-薬物複合体PADCEVTM(エンホルツマブ ベドチン)とペムブロリズマブの併用療法について、局所進行性または転移性尿路上皮がんに対する治療法として、中国の国家薬品監督管理局(NMPA)から適応追加承認を取得したと発表した。
 中国において、膀胱がんは罹患率と死亡率が高く、2022年には9万2000人以上が新たに膀胱がんと診断され、4万1000人以上が死亡している。膀胱がんの90%を占める尿路上皮がんは、進行が早く、特にがんが進行したステージで診断されると生存率が著しく低いことが多く、患者の生存期間を延ばす新たな治療選択肢が求められている。
 同承認取得は、治療歴のないla/mUC患者を対象としたP3相EV-302試験(KEYNOTE-A39試験)の結果に基づくもの。エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用療法群は、全生存期間(OS)の中央値と無増悪生存期間(PFS)の中央値において、白金製剤を含む化学療法群と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。
 OSの中央値は、併用療法群で31.5カ月(95%信頼区間[Confidence Interval:CI]:25.4-未到達)、化学療法群で16.1カ月(95%CI:13.9-18.3)で、併用療法群は化学療法群と比較して死亡リスクを53%減少させた(ハザード比[Hazard Ratio:HR]=0.47、95%CI:0.38-0.58、P<0.00001)。
 PFSの中央値は、併用療法群で12.5カ月(95%CI:10.4-16.6)、化学療法群で6.3カ月(95%CI:6.2-6.5)であった。併用療法群は、化学療法群と比較して、がんの進行または死亡のリスクを55%減少させた(HR=0.45、95%CI:0.38-0.54、P<0.00001)。
 併用療法群の安全性は、以前に報告した試験の結果と同様であり、新たな安全性の懸念は確認されなかった。
 なお同件によるアステラス製薬の2025年3月期通期業績への影響は、業績予想に織り込み済みである。

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