ファンペップは22日、抗体誘導ペプチド「FPP003」について、強直性脊椎炎に代表される体軸性脊椎関節炎患者を対象とした医師主導治験(P2a試験)が日本生命済生会日本生命病院開始されたと発表した。
FPP003は、大阪大学大学院医学系研究科の中神啓徳寄附講座教授(健康発達医学)、日本生命病院の辻成佳部長(リハビリテーション科)、森ノ宮医療大学大学院の冨田哲也教授(保健医療学)らの研究グループが開発したもの。今回のP2医師主導治験は、2022 年 4 月から実施した健常人を対象としたP1試験の結果を受けて開始される。
同治験は、大阪大学大学院医学系研究科が日本医療研究開発機構から委託された「難治性疾患実用化研究事業」の研究開発課題「脊椎関節炎を標的とした IL-17A ワクチン(FPP003)の臨床応用」として実施されるもので、ファンペップは、同研究開発課題について研究開発分担者として参加しており、医師主導治験で使用される治験薬を提供する。
大阪大学では、希少難病である強直性脊椎炎に対するペプチド治療ワクチンの橋渡し研究を 2018 年より開始している。希少難病である強直性脊椎炎は、病変部位では靭帯と骨との付着部位に炎症・骨化が起こり(図1)、疼痛、運動制限等がみられ、重症例では、体軸関節の強直をきたして日常生活能力の著しい低下をもたらす。
FPP003は、幅広い炎症性疾患に関与するタンパク質 IL-17A に対する抗体を誘導するペプチド治療ワクチンで、強直性脊椎炎に代表される体軸性脊椎関節炎の新規治療選択肢となることが期待される。
なお、ファンペップは、治験薬に関する費用等を本年12月期に計上予定であるが、第2四半期決算で公表した研究開発費見込額に織り込み済みである。