テゼスパイア 重症喘息治療薬で国内承認取得 アストラセネカ

 アストラセネカは27日、テゼスパイアについて、重症喘息治療薬として日本で承認を取得したと発表した。対象は、既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の喘息患者。
 厚労省による同承認は、PATHFINDER 臨床試験プログラムの有効性および安全性に関する結果に基づくもの。承認申請には、テゼスパイアが標準治療への追加療法として、プラセボに対し、全ての主要および副次的評価項目にわたり優位性を示した主要なP3相NAVIGATOR 試験の結果が含まれた。
 テゼスパイアは、上皮サイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)を標的とすることで喘息の炎症カスケードの起点に対して作用する最初で唯一の生物学的製剤である。血中好酸球数、アレルギーの状態および呼気中一酸化窒素濃度 (FeNO)を含む主なバイオマーカーによらない、広範な重症喘息患者集団を対象としたP2 相PATHWAY 試験およびP3相 NAVIGATOR試験全体において喘息の増悪を一貫して抑制した。
 臨床試験において、テゼスパイア投与群の患者に最もよく見られた副作用は、咽頭炎、関節痛、発疹および注射部位反応であった。テゼスパイアの日本の患者を対象としたP3相長期安全性NOZOMI試験の結果は、本年6月にThe Journal of Asthma に掲載された。
 P3相NAVIGATOR試験結果は、2021年5月にThe New England Journal of Medicine に掲載された。
 テゼスパイアは、重症喘息治療薬として、2021年12 月に米国、2022 年9月にEU において承認を取得している。その他、複数国で承認取得済。

◆相良博典昭和大学 医学部内科学講座 呼吸器・アレルギー内科学部門 主任教授のコメント
 重症喘息は、近年の治療の進歩にもかかわらず、多くの患者さんが頻繁に増悪し、生活の質を著しく低下させる疾患である。テゼスパイアは、臨床試験において、幅広い層の重症喘息患者さんに対して効果を示した。
 今回の承認により、日本の医師はこのような患者さんに症状管理のための重要な新しい選択肢を提供できるようになる。

◆Mene Pangalosアストラゼネカバイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
 テゼスパイアは、最初で唯一、広範な重症喘息患者さんに対しバイオマーカーの値によらず一貫して増悪を抑制することを示し、日本の厚労省により承認された生物学的製剤の喘息治療薬である。
 本剤は、広範な重症喘息患者集団の転帰を改善する可能性を有しており、当社は日本の患者さんに可及的速やかにお届けできるよう
尽力していく。

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