ウパダシチニブ 中等症以上の活動性クローン病でFDAより承認取得 アッヴィ

 アッヴィは9日、ウパダシチニブについて、中等症から重症の活動性クローン病を有する成人患者に対する1日1回の経口薬として、米国FDAより承認を取得したと発表した。
 適応症は、1種類以上のTNF阻害剤で効果不十分または不耐容であった中等症から重症の活動性クローン病の成人患者。
 同承認は、リウマチ領域、皮膚疾患領域および消化器疾患領域におけるウパダシチニブの7番目のFDA承認となり、同剤は、潰瘍性大腸炎およびクローン病の両方の適応を有することになった。
 今回の承認は、2つの寛解導入療法試験(U-EXCEEDおよびU-EXCEL試験)、ならびに維持療法試験(U-ENDURE試験)から得られたデータに基づくもの。
 寛解導入療法試験におけるウパダシチニブ45mg群、ならびに維持療法試験におけるウパダシチニブ15mg群および30mg群で、プラセボ群と比較して主要評価項目および主な副次評価項目について統計学的に有意差が認められた。
 内視鏡的改善では、2つの寛解導入療法試験において、12週時に内視鏡的改善[簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)がベースラインから50%超低下した場合、または限局性回腸病変がありベースライン時のSES-CDが4であった患者さんはベースラインから2ポイント以上低下した場合と定義]を達成した患者の割合は、ウパダシチニブ45 mg群でそれぞれ34%および46%であったのに対し、プラセボ群では3%および13%であった。
 また、維持療法試験において52週時に内視鏡的改善を達成した患者の割合は、ウパダシチニブ15mg群および30mg群でそれぞれ28%および41%であったのに対し、プラセボ群では7%であった。
 臨床的寛解については、2つの寛解導入療法試験において、12週時に臨床的寛解[クローン病活動性指数(CDAI)が150未満の場合と定義]を達成した患者の割合は、ウパダシチニブ45 mg群でそれぞれ36%および46%であったのに対し、プラセボ群では18%および23%であった。
 また、維持療法試験において52週時に臨床的寛解を達成した患者の割合は、ウパダシチニブ15mg群および30 mg群でそれぞれ42%および55%であったのに対し、プラセボ群では14%であった。

◆U-EXCEL試験治験責任医師のEdward V. Loftus, Jr.氏(メイヨー・クリニック消化器肝臓内科教授、M.D.)のコメント
 中等症から重症の活動性クローン病の症状は、患者さんにとって深刻かつ不快となる可能性もあるため、可能な限り早期に緩和することが求められる。
 また、進行性の疾患である点も踏まえ、内視鏡的改善も重要となる。臨床試験の結果から、過剰な炎症による腸管粘膜損傷が目視可能なレベルで軽減されたことが証明され、ウパダシチニブによる治療では早期と長期の両方で症状緩和が認められた。

◆Thomas Hudsonアッヴィsenior vice president of research and development, chief scientific officer(M.D.)のコメント
 症状の迅速な改善と目視可能な腸管粘膜損傷の軽減という、両方の目標に対応するより多くの治療選択肢がクローン病の治療において必要とされていることをアッヴィは認識している。ウパダシチニブをクローン病治療薬として提供できるようになり、また、このような効果が期待できうることを嬉しく思う。

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