乾燥濃縮人プロテインC 国内で製造販売承認申請 武田薬品

 武田薬品は28日、乾燥濃縮人プロテインC(TAK-662)について、厚生労働省に製造販売承認申請したと発表した。
 対象は、先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症、電撃性紫斑病の治療および血栓形成傾向の抑制。
 今回の製造販売承認申請は、主に日本人の先天性プロテインC欠乏症患者を対象とした国内臨床P1/2試験(NCT04984889)および非日本人の先天性プロテインC欠乏症患者を対象とした2つの海外P2/3相試験(IMAG-098試験、400101試験)に基づくもの。
 これらの試験において、同剤は先天性プロテインC欠乏症の治療薬として有効性と安全性が評価された。
 先天性プロテインC欠乏症は、肝臓で産生されて血液凝固を抑制する働きがあるプロテインCの先天的欠乏により血液凝固亢進状態となり、ときに致死的な血栓症を発症する。
 特に、新生児から乳幼児では、脳出血・梗塞、脳静脈洞血栓症などの重篤な頭蓋内病変がしばしば先行し、さらには電撃性紫斑病や硝子体出血などの重篤な症状を急速に発症。生涯にわたり重篤な後遺症を残すケースが多い疾患である。
 同剤は、ヒト血漿を分画して精製し、ウイルスの除去および不活化処理を施した静脈内注射用の乾燥濃縮人プロテインC製剤である。有効成分のプロテインCは、内因性プロテインCと同様に、血管内皮細胞表面のトロンビン/トロンボモジュリン複合体によって活性化プロテインCに変換されることで抗凝固作用を発揮する。
 そのため、先天性プロテインC欠乏症患者の静脈血栓塞栓症および電撃性紫斑病の治療、並びに血栓形成傾向の抑制に有用と考えられる。
 海外では、重度先天性プロテインC欠乏症の治療薬として、欧州では2001年7月、米国では2007年3月に製造販売承認を取得しており(販売名CEPROTIN)、2023年3月時点で、世界40カ国以上で販売されている。

◆廣田直美武田薬品PDT R&D Japan リージョナルヘッドのコメント
 先天性プロテインC欠乏症は重篤な場合、生涯にわたり後遺症を残したり、亡くなってしまうこともある疾患である。
 先天性であることから新生児期から乳幼児期に診断し早期に治療することが重要になる。乾燥濃縮人プロテインCを新たな治療選択肢として、日本の患者さんに少しでも早くお届けできる日を心待ちにしている。

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