大和ハウスは25日、全国の戸建住宅購入者/検討者1000名への”音ストレスに関する調査結果を公表した。調査は2023年1月23日~25日の3日間、全国に住む20~60代の戸建住宅購入者/検討者を対象にインターネットで実施したもの。
調査結果では、音に対して「疲れ」「ストレス」を感じ、心身に影響があった人は72.8%、病院で受診した人は25.6%であった。家の中で感じる音によるストレスを7割以上が実感し、家の中で本当は楽しみたい音のTOPは「カラオケ」という結果となった。
テレワークや共働きに代表される働き方や、家族や近隣の方との関わり方など様々な変化が起こっている現代の暮らしにおいて “家の中での音”は生活に影響を与える一要素となっている。
大和ハウスでは、戸建住宅購入者/検討者で音に関して興味関心のある計1000名を対象に、家の中で「気になる音」、または「気を使う音」に関する調査を実施した。
音によるストレス=「音ストレス」を感じている人が非常に多くいることが分かった。聞きたくない音によるストレスや、出さないように気を遣ってしまうストレスなども影響を与えていることが浮き彫りになった。
また、調査結果を受けて、ヴァイオリニストで音のプロフェッショナルの廣津留すみれ氏が「音ストレス」を解消する方法などについてコメントした。調査結果のサマリー及び詳細、廣津留しのコメントは次の通り。
【調査結果のサマリー】
◆TOPIC①
「音ストレス」が深刻化、生活に大きな影響を与えていることが判明
・家の中の音環境に不満を持っている人が52.8%と半数以上
・音に対して「疲れ」「ストレス」を感じ、心身に影響があった人は72.8%、病院で受診した人は25.6%
◆TOPIC②
「音ストレス」に繋がる“聞きたくない音”と“出したくない音”は異なる結果に
<聞いて負担に感じる音 TOP3>
・「アイドリング・空ふかしの音(41.6%)」「選挙や商業宣伝のスピーカー音(32.7%)」「交通機関の音(26.6%)」
<出さないように気を使っている音 TOP3>
・「テレビやスマホから出る音(22.4%)」「楽器の音(18.7%)」「アイドリング・空ふかしの音(17.6%)」
◆TOPIC③
「音」が気になってできていないことは「安眠・快適な睡眠(10.3%)」がTOP
・「楽器演奏」「カラオケ」「動画鑑賞」のような音を思いきり出せる「防音ニーズ」だけでなく、「安眠・快適な睡眠」「テレワーク」「勉強」など音を入れない「静音ニーズ」があることが判明
◆TOPIC④
防音室ができたらやってみたい、家の中で本当は楽しみたい音は「カラオケ(17.6%)」がTOP
・1位「カラオケ(17.6%)」2位「楽器演奏(ピアノ・エレクトーン・キーボードなど鍵盤楽器)(16.7%)」、
3位「映画鑑賞(14.1%)」
【調査結果詳細】
◆TOPIC①
「音ストレス」が深刻化、生活に大きな影響を与えていることが判明
現状の音環境への「不満」をもっていると回答した人が52.8%で、つまり音環境への改善意向を持つ人が戸建て購入者/検討者の半数以上という結果となった。(図1)
また、音に対して「疲れ」「ストレス」を感じ、心身に影響があった人は72.8%(図2)、病院で受診した人は25.6%。音に対して「イライラする・イライラした」と回答した人は約半数に上った。(図3)
生活の中で目に見えず気付きにくい「音ストレス」ですが、過半数以上の心身に影響を及ぼしていることから、対策をしていくべき問題の一つである実態が調査からも明らかになった。
◆TOPIC②
「音ストレス」に繋がる“聞きたくない音”と“出したくない音”は異なる結果に
聞いて負担に感じる音のTOP3は、「アイドリング・空ふかしの音(41.6%)」「選挙や商業宣伝のスピーカー音(32.7%)」「交通機関の音 (26.6%)」と屋外からの騒音で、家庭内で発生する生活音のようなパーソナルな音ではない傾向がある。(図4)
逆に、出さないように気を使っている音TOP3は、「テレビやスマホから出る音 (22.4%)」「楽器の音 (18.7%)」「アイドリング・空ふかしの音(17.6%) 」と家庭内で発生するパーソナルな音が多くなる傾向が見えた。(図5)
このように、音の聞き手になった時にストレスを感じる音がそのまま出し手になった時に気を使う音ではないという結果が出た。自分が音の聞き手の場合は、自分ではコントロールできないような外部からの騒音がストレスになり、自分が音の出し手の場合は、周囲の人を意識することでストレスを感じているようだ。
◆TOPIC③
「音」が気になってできていないことは「安眠・快適な睡眠(10.3%)」がTOP
現在、家の中で「音」が気になってできていないこと、集中できないこと、取り組めないことTOPは「安眠・快適な睡眠(10.3%)」(図6)。屋外からの騒音だけでなく、家庭内で発生する生活騒音が「音ストレス」となって、質の高い睡眠を阻害していることが推察される。「楽器演奏」「カラオケ」「動画鑑賞」のような音を思いきり出せる「防音ニーズ」だけでなく、「安眠・快適な睡眠」「テレワーク」「勉強」など音を入れない「静音ニーズ」があることが調査結果からわかった。
◆TOPIC④
防音室ができたらやってみたい、家の中で本当はもっと楽しみたい音は「カラオケ(17.6%)」がTOP
「防音室」ができたら、やってみたいこと、心置きなくできることTOP3は、1位「カラオケ(17.6%)」2位「楽器演奏(ピアノ・エレクトーン・キーボードなど鍵盤楽器)(16.7%)」、3位「映画鑑賞(14.1%)」と防音室には音を思いっきり楽しめる環境を求めていることが垣間見られる(図7)。
隣近所や同居人に対して、テレビや楽器の音で迷惑をかけないように気を使っている一方で、本当は家でもっと音を楽しみたい、そんな生活者の本音がはっきりとわかる結果となった。
【廣津留すみれ氏のコメント】
幼少期から音には敏感であった。勉強に集中するためには、静かで音に敏感になれる環境が必要であるが、家の中で環境を整えるのはなかなか難しい。
いちばん集中しているときは、どんな些細な音でも集中がプツンと切れてしまうので、「音ストレス」のない環境は大事だと思われる。
また、ヴァイオリニストとしてのお仕事で言うと、私はあくまで一人のヴァイオリニストであって、オファーをくださる方は、私の音が必要だから仕事をオファーしてくれるわけである。
従って「どういう音を出すか」が勝負の世界。音が響きすぎる環境だと「あれ、私って上手いかも」と調子に乗ってしまうし(笑)、音が響かなさすぎる環境だと力みすぎてしまう。ちょうどよい音の響きをしてくれる環境が理想の練習場所である。
防音室ができたら友達とのジャムセッションをやってみたい。クラシックだけでなくジャズやポップスなど、友達と楽器を持ち寄って即興演奏をすることは私のニューヨークでの楽しみの一つであった。
複数人で演奏する時でも音の大きさを気にすることなく様々なジャンルに挑戦できたらとっても幸せだ。周囲の環境を気にせずに、自分の好きなことに好きな人と没頭できることも「音ストレス」がない状態と言えるのでないだろうか。
今回、大和ハウスの快適防音室「奏でる家」と静音室「やすらぐ家」で、思いきり自分らしい音を奏でることができたり、静けさの中で自分の世界に没頭できたりと、「音ストレス」のない暮らしを体験することができた。ぜひ皆さんも展示場で体感してほしい。