アルツハイマー治療薬「レカネマブ」 米国FDAにフル承認に向けたsBLA申請を提出 エーザイ

 エーザイは7日、同社とバイオジェンが共同開発したアルツハイマー治療薬「レカネマブ」について、迅速承認からフル承認への変更に向けた生物製剤承認一部変更申請(sBLA)を米国FDAに提出したと発表した。
 同sBLAは、今後FDAにより申請受理の可否に関するバリデーションが行われる。レカネマブは、6日にアルツハイマー病(AD)治療薬として米国FDAから迅速承認された可溶性(プロフィブリル)および不溶性アミロイドβ(Aβ)凝集体に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体である。
 レカネマブによる治療は、Aβ病理が確認されたADによる軽度認知障害または軽度認知症の当事者様において開始する必要がある。
 レカネマブの迅速承認は、同剤がADの特徴である脳内Aβプラークの減少を示したP2試験(201試験)結果に基づいており、検証試験により臨床的有用性を確認することが同迅速承認の要件となっていえう今回のsBLAは、P3相Clarity AD検証試験の結果に基づいている。
 Clarity AD試験において、LEQEMBIは主要評価項目およびすべての重要な副次評価項目を統計学的に高度に有意な結果をもって達成するとともに、アミロイド関連画像異常(ARIA)発現率についても想定の範囲内のプロファイルを示した。Clarity AD試験の結果については、2022年11月に第15回アルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)にて発表し、同時に査読学術専門誌the New England Journal of Medicineにも掲載されている。
 エーザイは、中国において、2022年12月に国家薬品監督管理局にBLAのデータ提出を開始した。日本と欧州においても、2022年度中の承認申請を行う予定だ。
 レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行う。

◆内藤晴夫エーザイCEOのコメント
 ADは、患者さんとご家族に大きな障害や負担をもたらすとともに、社会に対しても甚大な影響を及ぼす疾患である。今回、迅速承認取得と同日にフル承認に向けたsBLAの提出を達成できたことは、エーザイのADコミュニティへのコミットメントを示すものであり、本剤を必要とされるすべての米国のAD当事者様に本剤へのアクセスを確保するための大きな前進である。引き続き、FDAの審査に積極的に協力していく。

◆Christopher A. Viehbacherバイオジェン社長兼CEOのコメント
 本日の申請は、AD当事者様にとって重要な一歩であり、多くの挫折や困難に直面しながらも、この困難な疾患と闘うために弛まぬ努力を続けてきた科学と医学のコミュニティの力を証明するものである。エーザイのレカネマブ開発におけるリーダーシップと、ピボタル後期臨床Clarity AD試験の重要なデータに基づく今回の申請の迅速なsBLAの提出に敬意を表する。

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