住友ファーマは24日、同社完全子会社のスミトバント社による同社連結会社のマイオバント社の完全子会社化について契約締結したと発表した。
同社は 2019 年 12 月に、スミトバント社を通じてマイオバント社を連結子会社化した。住友ファーマおよびスミトバント社は、マイオバント社の進行性前立腺がん治療剤「オルゴビクス」、子宮筋腫治療剤および子宮内膜症治療剤「マイフェンブリー」の米国等での開発・販売を支援してきた。
同契約は、住友ファーマおよびスミトバント社の取締役会で承認された。また、マイオバント社の社外取締役で構成される特別委員会の勧告後、同社取締役会で、スミトバント社が指名する取締役が審議および採決を棄権する状況において、満場一致で承認された。
なお、本完全子会社化は、スミトバント社以外のマイオバント社の株主(少数株主)による承認およびその他法的手続きの完了を条件としており、2022年度第4四半期に完了する予定である。
スミトバント社は、マイオバント社を存続会社とし、同完全子会社化のために設立した子会社を消滅会社とする合併を行う。
同完全子会社化の対価として、スミトバント社は、マイオバント社の発行済株式のうちスミトバント社が未保有の株式(約 6190万7523株)を1株当たり27.00 米ドルで取得し、総額 17 億米ドル(完全希薄化ベース)を少数株主に支払う。
合意した取得価格は、9 月 30 日(現地時間)の同社株式の終値に対して約 50%、9 月 30 日(現地時間)の同社株過去60日間の売買高加重平均価格に対して約55%のプレミアムをつけた価格であり、結果として、マイオバント社の企業価値は29億米ドル(完全希薄化ベース)となる。
同完全子会社化に係る資金については、住友ファーマの手元資金および銀行借入により賄う予定であり、三井住友銀行から必要な借入のためのコミットメントを取得している。
完全子会社化の完了後、マイオバント社は、ニューヨーク証券取引所への上場を廃止し、住友ファーマグループの一企業として事業を継続する予定である。
同完全子会社化について、住友ファーマおよびスミトバント社の財務アドバイザーとして J.P. Morgan Securities LLC を、法務アドバイザーとしてSullivan & Cromwell LLPを起用している。
また、マイオバント社は財務アドバイザーとして、Goldman Sachs & Co. LLC を、法務アドバイザーとして、Skadden, Arps,Slate, Meagher & Flom LLP を起用している。
同完全子会社化により、コア営業利益以下の各利益段階で減益影響が想定されるが、クロージングの時期により変動するため、影響額は未定であり、2022年度連結業績予想修正の必要性が生じた場合は、速やかに開示する。
◆野村博住友ファーマ代表取締役社長のコメント
マイオバント社は、大型化が期待できる2つの製品を有している。本完全子会社化により、スミトバント社とマイオバント社の持つ専門性、基盤および資源を結集することで、マイオバント社の製品力を強化し、前立腺がんや婦人科疾患における患者さんのアンメット・ニーズに応える革新的な治療法を提供し続けていくことに寄与できる。
また、これらの製品の販売により生まれるキャッシュフローを当社グループの持続的成長のために最大限活用する経営戦略の実行が可能となり、経営のスピードを加速できると考えている。