大阪府薬剤師会の藤垣哲彦会長は9日、大阪市内のホテルで定例記者会見を開き、「新元号・令和スタート」、「消費税10%」、「会営吹田薬局閉鎖」など2019年の大阪府薬“重大”ニュースを発表した。
藤垣会長が2019年の“重大”ニュースとして挙げたのは、①「新元号・令和スタート」②「消費税10%」③「会営吹田薬局閉鎖」④「薬機法改正」⑤「大阪でG20サミット開催」⑥「薬局の連携体制整備のための検討モデル事業スタート」⑦「本田あき子氏の参議院議員初当選」⑧「中西前大阪府薬会長の旭日小綬章受章」⑨「遺贈の件」⑩「スポーツファーマシストで近大と連携」⑪「0402通知(調剤業務の在り方)」の11項目。
新元号・令和スタートについては、「気持ちを一新する絶好の機会」と捉え、「大阪府薬の会員・市民へのさらなる貢献」を誓った。
「消費税10%」では、「2%増税されたが、その中に軽減税率があって調剤だけしている薬局は影響が少ない」と指摘し、「食品を扱っているところは仕分けが大変になった」と明言した。
「会営吹田薬局閉鎖」は、「会営薬局の在り方を明確にした」と断言。その一方で、「大阪府薬としては、大きな収入減となった。閉鎖による経済的ダメージは大きい」との本音も漏らし、「循環器病センター移転先の大阪府吹田市岸部新町に行く選択肢もあったが、広大な敷地内で当初の予定場所に開設できなくなった」と閉鎖理由の一端を明かした。
「薬機法改正」については、「通常国会では継続審議となり医薬品が軽んじられている感が強かったが、11月27日にやっと成立した」と振り返り、「薬剤師の5年、6年先の将来的スパンに向けて大変重要な方向が示された」と強調した。
「大阪でのG20サミット開催」でも、「国から6月に入ったサミット開催2週間前に救護所の薬を揃えて欲しいとの要望があった。医薬品を動かすことの大変さを判っていない」と言明。その上で、「会場内の診療所完成がサミット開催直前になった。交通規制のため、電車で麻薬を運んだ」との苦労話を披露した。
10月よりスタートした「薬局の連携体制整備のための検討モデル事業」では、「全国5か所で実施されているが、その中の一つとして国の予算を引き出した。今年のラグビーワールドカップの“ワンチーム”が流行語年間大賞に選ばれたが、同様に大阪府薬の結束と力を感じた」と胸を張った。
「遺贈の件」は、本年3月1日に逝去した会員の酒井文子氏の遺産(現金約1億円)が大阪府薬に遺贈されたもの。「故酒井先生は、府薬の研修会によく参加されていたので面識がある。ありがたく受領したい」と感謝の意を示した。
「0402通知(調剤業務の在り方)」では、「通知の根底には、効率的なAIや非薬剤師の活用により、薬剤師は人との接点を増やして患者の相談を受けるという概念があることを忘れてはならない」と改めて訴求。非薬剤師の研修制度にについては、「現在、日薬が手順書の雛形を作成している」と明かした。