ケニアの母子支援活動 「Mother to Mother SHIONOGI Project」診療所の太陽光発電の稼働開始 塩野義製薬

ソーラーパネルが設置された産科棟

 塩野義製薬は7日、ケニアの母子支援活動で設立した「Mother to Mother SHIONOGI Project」診療所について、太陽光発電システムによる電力供給を通じた医療サービスの提供を開始したと発表した。
 同社では、ケニアの母子支援活動「Mother to Mother SHIONOGI Project」の第二期事業を、2020年4月より国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)と共に活動を開始している。
 今回、その事業地であるケニア共和国キリフィ県のリマ・ラ・ペラ診療所に、パナソニックHDからの協力を得て太陽光発電システムを設置し、電力供給を開始したもの。
 塩野義製薬は、2015年から塩野義製薬およびSHIONOGIグループ社員からの寄附をもとに、国際 NGOワールド・ビジョンの協力により、ケニアの母子健康改善に向けた取り組みを開始。
 第二期事業では、ケニア共和国キリフィ県の3つの診療所を対象に支援している。その1つであるリマ・ラ・ペラ診療所は、電力の供給が不十分であり安定した医療サービスや夜間診療が提供できないという課題があった。
 そこで、同課題に対し、パナソニックHD「LIGHT UP THE FUTURE プロジェクト」の協力を得て、太陽光発電システムによる医療サービスの提供を実現した。同事業において、塩野義製薬、パナソニックHD、WVJの3者の協働は、母子保健の共通課題の改善に向けた初めての取り組みである。

蓄電システム

◆澤田拓子塩野義製薬取締役副会長のコメント
 リマ・ラ・ペラ診療所は、電力の供給が不十分であり、ワクチンは不安定なガス冷蔵庫で保存され、医療機器や検査機器も十分に使用できず、提供できる医療サービスが制限されていた。
 本連携事業により、診療所に電気が通ることで、夜間診療、夜間の施設分娩や安定的な医療機器の使用が可能となり、必要な医療サービスのより多くの方への提供が期待される。

◆福田里香パナソニックHD CSR・企業市民活動担当室室長のコメント
 無電化地域で暮らす人々は、灯りや電気がないことで様々な不利益を被っている。リマ・ラ・ペラ地区では、電気がないことでワクチンの保管や夜間の医療サービスができないと聞き、当社の灯りや電気でお役立ちができないかと考えた。
 本事業がケニアの医療や母子保健サービスを向上させることによって「健康」の機会を創出し、当社の企業市民活動の重点テーマの1つである「貧困の解消」に繋がることを期待している。

◆木内真理子WVJ事務局長のコメント
 「Mother to Mother SHIONOGI Project」(M2M Project)でリマ・ラ・ペラ診療所が新たに建設され、さらにパナソニックHDも加わった本連携事業により、診療所に電気が通うようになった。
 夜間の診療をこれまで懐中電灯に頼っていた診療所スタッフからは、早速、感謝の声が届いている。
 M2M Projectが進めてきた母子保健や栄養に関する啓発の結果、地域の母親自身から子どもたちの栄養状態がよくなっているという力強い声があがっている。
 診療所のより安定した保健サービスの提供により、地域の信頼も増し、利用がさらに促進され、母子の健康改善へのいっそうの貢献が期待される。今後も地元政府とも連携し、診療所の機能拡充に取り組んでいく。

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