HYQVIA 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎維持療法のP3試験で好結果 武田薬品

 武田薬品は22日、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)に対する維持療法としての HYQVIAについて、無作為化プラセボ対照二重盲検臨床P3相ADVANCE-1 試験で主要評価項目を達成したと発表した。
 トップラインデータにおいて、CIDP の維持療法として使用した場合に、HYQVIA の神経筋障害・機能障害の再発を減少させ、多くの CIDP 患者に対して月1回投与を可能にする促進型皮下注免疫グロブリン(fSCIG)製剤の可能性が示された。
 ADVANCE-1 試験の解析は進行中であり、次の医学会議で追加データを公表する予定である。
 同試験では、投与前の少なくとも3ヵ月間、静注免疫グロブリン(IVIG)療法の用法・用量に変更がなかったCIDP成人患者132名を対象として、HYQVIA の有効性、安全性、忍容性を評価した。
 INCAT スコアを指標とした主要評価項目の解析では、HYQVIA を事前の IVIG と同じ用量および用法で投与したときに、プラセボと比較してCIDPの再発を減少させました[それぞれ 9.7% vs 31.4%、p 値 = 0.0045]。本臨床試験の患者の大半が HYQVIAの4 週間投与レジメンを受けた。
 CIDPは、末梢神経系に影響を及ぼす希少な慢性自己免疫疾患である。同疾患は腕や脚に進行性の対称性筋力低下や感覚機能障害を引き起こす。2免疫グロブリン療法は、その幅広く多面的な抗炎症免疫調節効果のため、CIPD 患者さんの標準治療となっている。
 ADVANCE-1 試験のトップライン結果において、HYQVIA は良好な安全性プロファイルを示しており、CIDPに対する維持療法として、その使用をさらに支持するものだ。
 HYQVIA による治療を受けた患者62 名のうち、治験薬と関連のある有害事象の大半が軽度または中等度であり、HYQVIAによる新たな安全性リスクは報告されなかった。
 CIDPにおける HYQVIA の安全性プロファイルは、一部の患者さんに対する最長6年間のデータを有する同薬効での最大の長期臨床試験となる進行中のADVANCE-3試験のデータによって、さらに裏付けられる見込みである。
 全データ解析の完了次第、2022年度中に米国およびEUの規制当局へ HYQVIAの申請を行う予定である。

◆武田薬品プラズマ デライブド セラピーズ ビジネス ユニットのリサーチ&デベロップメント ヘッドのクリスティナ・アルキメッツ氏のコメント
 CIDPにおける静注免疫グロブリン療法の有効性ならびに安全性は十分に確立されているものの、特に CIPD患者さんの長期投与の治療においては大きな負担になっている。
 投与部位数を減らし、投与期間および投与頻度を減らすことによって、自宅や病院で月1 回投与できる有効な治療に対して大きなニーズがある。我々は、 CIDPの患者さんにこの治療をできるだけ早くお届けできるように取り組んでいく。

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