小野薬品は7日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、P3相CheckMate -227試験のPart 1の5年間追跡データが、転移性非小細胞肺がん患者のファーストライン治療において長期の持続的な生存アウトカムを示したと発表した。
同社が提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が6日に発表したもの。同データは、2022年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、6日にLate-Breakingポスタープレゼンテーションで発表された(抄録番号#LBA9025)。
同データでは、オプジーボとヤーボイの併用療法によるファーストライン治療が、化学療法と比較して、PD-L1発現レベルにかかわらず、転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)患者において長期の持続的な生存ベネフィットを引き続き示した。
最短5年(61.3カ月)の追跡調査において、mNSCLCを対象とした免疫療法薬による併用療法で報告された最長期間の結果は次の通り。
・主要評価項目の解析対象集団であるPD-L1発現レベルが1%以上の患者の5年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で24%、化学療法群で14%でした(ハザード比 [HR] 0.77;95% 信頼区間 [CI]: 0.66 – 0.91)。
・PD-L1発現レベルが1%未満の患者の探索的解析では、5年時点で生存していた患者数は化学療法群と比較して、オプジーボとヤーボイの併用療法群で約3倍でした(併用療法群19% vs 化学療法群7%;HR 0.65;95% CI:0.52 – 0.81)。
・治療に奏効した患者のうち、オプジーボとヤーボイの併用療法群では、化学療法群と比較して、5年時点(試験のプロトコルに従って免疫療法薬の最長2年間の投与を終えた後、3年以上治療を受けていない)でより多くの患者の奏効が持続しており、奏効は、PD-L1発現レベルが1%以上(併用療法群28% vs化学療法群3%)および1%未満(併用療法群21% vs 化学療法群0%)のサブグループの両方で示された。
・オプジーボとヤーボイの併用療法群で5年時点で生存していた患者のうち、約3分の2(PD-L1発現レベルが1%以上の患者の66%、PD-L1発現レベルが1%未満の患者の64%)が、投与終了から3年以上にわたりその後の治療を受けていなかった。
・免疫療法薬2剤による併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告された本試験のデータと一貫しており、確立されたプロトコルによって管理可能でした。また、新たな安全性シグナルは認められなかった。
◆CheckMate-227試験治験担当医師で、アトランタ、エモリー大学医学部エモリー大学ウィンシップがん研究所副所長のSuresh S. Ramalingam(M.D.)氏のコメント
転移性肺がんは、治療しない場合の5年生存率がわずか約6%という疾患であるが、治療の進展が患者さんに新しい希望をもたらしている。
より長期の追跡調査において、免疫療法薬2剤による併用療法の良好な持続性が示された。5年時点のデータでは、ファーストラインの治療選択肢としてオプジーボとヤーボイの併用療法が果たす重要な役割が明確に実証され、PD-L1発現レベルにかかわらず、患者さんに引き続き有効性のベネフィットがもたらされている
◆BMSバイスプレジデント兼胸部がん領域開発担当のAbderrahim Oukessou(M.D.)氏のコメント
CheckMate -227試験のオプジーボとヤーボイの併用療法の5年生存率は、ファーストラインのmNSCLCを対象とした免疫療法薬による併用療法の最も成熟したデータであり、化学療法と比較して2倍近い値となった。
複数のがん腫におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の持続的な長期ベネフィットの例が、また一つ示された。CheckMate-227試験のこれらの結果により、免疫療法薬2剤による併用療法は、転移性肺がん、転移性悪性黒色腫および進行腎細胞がんで従来の期待をはるかに上回る5年生存率を示したことになり、様々ながん腫の患者さんで長期アウトカムを改善できるかもしれないという希望がもたらされている。