テクベイリとタービーの併用療法 多発性骨髄腫治療薬として承認取得 J&J

 J&Jは19日、B細胞成熟抗原(BCMA)とCD3を標的とする二重特異性抗体「テクベイリ」と
GPRC5DとCD3を標的とする二重特異性抗体「タービー」の併用療法について、EMDを有する再発または難治性多発性骨髄腫の治療薬として承認を取得したと発表した。
 同併用療法の承認取得は、日本が世界で初めて。GPRC5DとBCMAという2つの抗原を標的とする二重特異性抗体の併用療法はアンメットニーズを抱える患者に対する新たな治療選択肢で、多発性骨髄腫治療における新たな一歩となる。
 今回の承認取得は、EMDを有し、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38 モノクローナル抗体製剤の治療歴を有する(TCE)再発または難治性の多発性骨髄腫患者を対象に、テクベイリとタービーとの併用療法の有効性及び安全性を評価したRedirecTT-1試験 P2相(NCT04586426)に基づくもの。
 EMD は多発性骨髄腫において悪性度の高い病型であり、骨髄腫細胞が軟部組織や臓器などの骨髄外の他の場所へと広がって腫瘍 (形質細胞腫)を形成する疾患である。EMD(骨依存性ではない病変)を有する患者は、傍髄性病変又はEMDを有さない患者に比べ、予後不良であると報告されている。
 これらの患者に対する治療選択肢は限られている場合が多く、予後は不良となる傾向にあるため、現在の標準治療では全奏効率(ORR)が低く、早期に再発するのが現状だ。EMDを有し、TCEの再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんのORRは平均40%未満で、無増悪生存期間(PFS)の中央値は6カ月未満にとどまっている。
 RedirecTT-1試験は、これらEMDを有する多発性骨髄腫の患者を対象に、GPRC5DとBCMAを標的とする二重特異性抗体の併用療法を評価した前向きの試験としては、最も規模が大きい。

◆石田禎夫日本赤十字社医療センター骨髄腫アミロイドーシスセンター長のコメント
 髄外性形質細胞腫を有する再発または難治性の多発性骨髄腫は、予後不良であるにも関わらず、これまで有効な治療法が確立されておらず、アンメットニーズの極めて高い疾患であった。今回、二重特異性抗体であるテクベイリとタービーの併用療法が、この疾患に対する新たな治療法として承認を取得したことは、治療を大きく前進させる重要な転換点と言える。
 さらに、この治療困難な疾患とともに生きる患者さんにとって、本併用療法は大きな進歩をもたらす可能性があり、良好な治療アウトカムを通じて、将来への生きる希望につなげることができればと期待している。

◆クリス・リーガーJ&J Innovative Medicine Japan代表取締役社長のコメント
 今回、アンメットニーズの高い、髄外性形質細胞腫を有する多発性骨髄腫患者さんに、新たな治療選択肢をお届けできることを大変嬉しく思う。今回の承認取得は、患者さんにより長期の生存ベネフィットをもたらすよう取り組む当社のコミットメントを示すものであると同時に、GPRC5DとBCMAという2つの抗原を標的とする治療法が、当社及び多発性骨髄腫領域における今後のイノベーションを牽引する重要なアプローチであることを示している。

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