日本イーライリリーは22日、抗エストロゲン剤/抗悪性腫瘍剤「イムルリオ錠」(一般名:イムルネストラントトシル酸塩錠)について、厚労省より乳がんに対する製造販売承認を取得したと発表した。 対象は、内分泌療法後に増悪したESR1遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性(HR陽性)かつHER2 陰性の手術不能又は再発乳がん。一部の乳がん患者では、ESR1遺伝子変異が起こることでエストロゲン受容体が過剰に活性化されがんの進行を促進させる。
イムルリオは、エストロゲン受容体に結合し、その働きを阻害、さらに分解することで、疾患の進行を抑える。また、1日1回投与する薬剤で、患者に新たな経口剤の選択肢を提供する。
イムルリオの承認は、国際共同第P3試験(EMBER-3試験)の有効性および安全性の結果に基づくもの。
同試験では、アロマターゼ阻害剤を含む内分泌療法歴のあるHR陽性かつHER2陰性の局所進行または遠隔転移を有する乳癌患者874例を対象に、同剤単独投与、治験担当医師が選択した治療(フルベストラントまたはエキセメスタン)、及び同剤とアベマシクリブの併用投与を比較している。
◆江夏総太郎日本イーライリリー研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部 オンコロジ―領域本部長のコメント
ホルモン受容体陽性・HER2陰性の乳がん患者さんの中には、ホルモン剤の治療中にESR1遺伝子変異が生じることがあり、それが治療耐性の要因となる可能性がある。
イムルリオは、その治療耐性を解決できる可能性を示した。本承認により、ESR1遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌の患者さんに新しい治療選択肢としてイムルリオを提供できることを大変うれしく思う。今後も日本イーライリリーは患者さんの声に応え、革新的な医薬品の開発に取り組んいく。

